銀行業務検定試験 相続アドバイザー2級 事業承継と自社株 練習問題 第5問: X社は取締役会を置く公開会社でない株式会社である。社長Aさんは、後継者の長男Bに経営の決定権を集め、事業に関わらない長女Cには財産としての価値を承継させたいと考
X社は取締役会を置く公開会社でない株式会社である。社長Aさんは、後継者の長男Bに経営の決定権を集め、事業に関わらない長女Cには財産としての価値を承継させたいと考え、種類株式の活用を検討している。会社法の定めに照らした記述として、最も適切なものはどれか。
解答と解説を先に見る
正解: 1. 非後継者の長女Cには議決権制限株式を、先代のAさんには拒否権付種類株式を持たせる設計ができる。
「非後継者の長女Cには議決権制限株式を、先代のAさんには拒否権付種類株式を持たせる設計ができる」が適切です。会社法第108条第1項は、株主総会で議決権を行使できる事項(第3号)や、株主総会・取締役会の決議に加えて種類株主総会の決議を要する事項(第8号)について内容の異なる種類株式を発行できると定めています。Cに議決権制限株式を、Aさんに拒否権付種類株式を持たせれば、議決権はBに集めつつ、Aさんが重要事項に歯止めをかけられます(拒否権の定めがある事項は種類株主総会の決議がなければ効力を生じない。同法第323条)。議決権制限株式は公開会社でない会社でも発行できるので、「発行できない」は誤りです。同項ただし書は、取締役・監査役の選任に関する種類株式(第9号)を公開会社と指名委員会等設置会社は発行できないと定めているので、「公開会社でも…発行できる」は誤りです。同法第115条が議決権制限株式を2分の1以下にする措置を求めるのは公開会社の場合なので、「公開会社でない会社でも」は誤りです。拒否権付種類株式は相続で誰に渡るかで経営の妨げになり得るため、取得条項や遺言で行き先を決めておくのが実務の着眼点です。
根拠・参照資料: 会社法第108条第1項・第115条・第323条
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