銀行業務検定試験 相続アドバイザー2級 事業承継と自社株 練習問題 第4問: X社は取締役会を置く公開会社でない株式会社で、発行する株式はすべて譲渡制限株式である。定款には、相続その他の一般承継により株式を取得した者に対し、会社に売り渡す
X社は取締役会を置く公開会社でない株式会社で、発行する株式はすべて譲渡制限株式である。定款には、相続その他の一般承継により株式を取得した者に対し、会社に売り渡すよう請求できる旨の定めがある。株主は社長Aさん(議決権の60%)と、親族でない専務E(議決権の40%)の2人だけであった。Aさんが死亡し、長男BがAさんのX社株式をすべて相続した。X社がBに株式の売渡しを請求する場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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正解: 3. 売渡請求を決める株主総会ではBは議決権を行使できず、Eだけで特別決議が成立しうる。
「売渡請求を決める株主総会ではBは議決権を行使できず、Eだけで特別決議が成立しうる」が適切です。会社法第174条は、相続などで譲渡制限株式を取得した者に売渡しを請求できる旨を定款で定めることができるとし、第175条第1項は請求の都度、株主総会で株式の数と相手方を定めるとしています。この決議は特別決議です(同法第309条第2項第3号)。同法第175条第2項は、相手方は議決権を行使できないと定め、ほかの株主の全部が行使できない場合だけを除いています。Bが除かれると、議決権を行使できるのはEの40%だけなので、E一人で特別決議の要件を満たします。Bが60%の議決権で否決できるとする記述は誤りです。請求の期限は、会社が相続を知った日から1年(同法第176条第1項)で、「相続開始の日から3年」は誤りです。請求の日から20日以内に価格決定の申立てがなく、協議も調わないときは、請求は効力を失う(同法第177条第2項・第5項)ので、効力を失わないとする記述も誤りです。オーナーの株式を後継者が相続する会社では、この定款の定めが後継者に向けて使われるおそれがないかを相続の前に点検するのが実務の着眼点です。
根拠・参照資料: 会社法第174条・第175条・第176条第1項・第177条・第309条第2項第3号
関連キーワード: 相続人等に対する売渡請求・譲渡制限株式・特別決議・定款
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