知的財産管理技能検定2級 著作権の権利処理と契約 練習問題 第12問: 小説家Aの死後、出版社X社は、Aの書斎から見つかったAの未公表の原稿を、遺族に無断で出版しようとしている。Aの配偶者・子・父母は既に亡く、Aの遺族は兄のBだけで
小説家Aの死後、出版社X社は、Aの書斎から見つかったAの未公表の原稿を、遺族に無断で出版しようとしている。Aの配偶者・子・父母は既に亡く、Aの遺族は兄のBだけで、Aは遺言を残していない。この場合について、次のうち誤っているものはどれか。
解答と解説を先に見る
先に見ると、この問題は今回は育ちません。
正解: 2. 差止めを請求できる遺族は配偶者、子、父母までで、兄のBはX社に出版の差止めを求める立場にない。
誤っているのは「遺族は配偶者、子、父母までで、兄のBは…立場にない」とする記述です。著作権法第116条第1項は遺族を死亡した著作者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹とし、遺族は第60条に違反する行為をするおそれがある者に第112条の差止めを請求できます。
順位は同項の順 (同条第2項) で、遺族がBだけならBが請求でき、著作権を相続したかどうかも要件ではありません。著作者人格権は一身に専属し譲渡できない (第59条) ので、生前でも譲渡できなかったとする記述は正しいものです。
第60条は、著作者の死後も、存しているとしたならば著作者人格権の侵害となるべき行為を禁じ、著作者の意を害しないと認められる場合を除くので、この記述も正しいものです。遺言で遺族に代えて請求できる者を指定できる (第116条第3項) ので、最後の記述も正しいものです。
著作者の死後に差止めを請求できる遺族には、配偶者・子・父母のほか孫・祖父母・兄弟姉妹も入る。
根拠・参照資料: 著作権法第18条・第59条・第60条・第112条・第116条
関連キーワード: 著作者人格権・一身専属性・死後の人格的利益・遺族・差止請求
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