乙種6類の業務範囲は整備と点検です。つまり点検の制度そのものが、資格の存在理由にあたります。ところがここは「1年に1回」「3年に1回」「6か月ごと」といった数字が入り乱れ、どれが点検でどれが報告なのかが混ざったまま覚えている人が多い場所です。
この記事では消防法施行規則第31条の6の条文どおりに整理します。数値は2026年4月1日時点で施行されている版で確認しています。
最初に切り分ける — 「点検」と「報告」は別の話
混乱の原因はここです。間隔が2種類あり、それぞれ別の条項で定められています。
| 内容 | 根拠 | |
|---|---|---|
| 点検 | 種類及び点検内容に応じて、1年以内で消防庁長官が定める期間ごと | 規則第31条の6第1項 |
| 報告 | 防火対象物の区分に応じて、1年に1回 または 3年に1回 | 規則第31条の6第3項 |
▶️ 点検の具体的な間隔は法令本体には書かれていません。 条文は「一年以内で消防庁長官が定める期間ごと」としており、機器点検・総合点検それぞれの期間は消防庁長官の告示で定められています。試験で「点検は◯か月ごと」と問われたときは、この告示の側の知識です。
一方、報告の間隔は施行規則そのものが数字で書いています。だから条文から確実に答えられるのはこちらです。
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報告は「1年に1回」と「3年に1回」に分かれる
規則第31条の6第3項は、防火対象物を2つの群に分けて報告の期間を定めています。
1年に1回 報告するもの(第1号)
令別表第一の (一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ、(十六の二)項、(十六の三)項
3年に1回 報告するもの(第2号)
令別表第一の (五)項ロ、(七)項、(八)項、(九)項ロ、(十)項から(十五)項まで、(十六)項ロ、(十七)項、(十八)項
項番号だけ並べても頭に入らないので、中身で覚えます。
| 群 | どんな用途か | 期間 |
|---|---|---|
| 第1号 | 劇場・飲食店・百貨店・ホテル・病院・福祉施設・地下街など、不特定多数や避難に配慮が必要な人が使う用途 | 1年に1回 |
| 第2号 | 共同住宅・学校・図書館・工場・事務所・倉庫・重要文化財など、利用者が特定されている用途 | 3年に1回 |
▶️ 第1号の群は、おおむね特定防火対象物にあたります。「不特定多数が出入りする、または逃げ遅れの危険が高い用途ほど頻繁に報告させる」という考え方で並んでいるので、迷ったらこの理屈に戻ります。
⚠️ (五)項はイとロで分かれる点に注意します。(五)項イ(ホテル・旅館)は1年に1回、(五)項ロ(共同住宅)は3年に1回です。同じ項番号でもイとロで群が違うのは(五)項・(九)項・(十六)項の3つで、ここが引っかけどころです。
報告先と記録先を取り違えない
規則第31条の6第3項は、報告の流れもあわせて定めています。
- 点検を行った結果を 維持台帳に記録する
- 区分に応じた期間ごとに 消防長または消防署長に報告する
報告先は消防長または消防署長です。市町村長や都道府県知事ではありません。また、報告義務を負うのは点検業者ではなく防火対象物の関係者(所有者・管理者・占有者)である点も問われます。
維持台帳とは、届出に係る書類の写し、検査済証、報告書の写し、工事・整備等の経過一覧表など、維持管理に必要な書類を編冊したものと条文が定義しています。
誰が点検できるか
規則第31条の6第7項は、消防設備士以外にも点検を行える者として消防設備点検資格者を定めています。次のいずれかに該当し、消防庁長官の登録を受けた法人が行う講習の課程を修了して免状の交付を受けた者です。
- 消防設備士
- 電気工事士
- 管工事施工管理技士
- 水道法に規定する政令で定める資格を有する者
- 建築物調査員資格者証または建築設備等検査員資格者証の交付を受けている者
- 一級建築士または二級建築士
- 大学・高等専門学校で機械・電気・工業化学・土木・建築に関する学科等を修めて卒業した後、実務経験1年以上
- 高等学校等で同様の学科を修めて卒業した後、実務経験2年以上
- 工事または整備について実務経験5年以上
▶️ 学歴が高いほど必要な実務年数が短くなる構造(1年・2年・5年)になっています。この3つの数字の並びが問われます。
なお、消防設備士免状を持つ者が点検できる設備等の種類は、同条第6項により消防庁長官が定めます。乙6の免状で点検できるのは消火器です。
試験での問われ方
この分野は、次の4つの型でほぼ出尽くします。
- 報告の期間を選ばせる … 用途を示して1年に1回か3年に1回かを答えさせる。(五)項イとロの区別が鍵
- 報告先を選ばせる … 消防長または消防署長。市町村長や知事を混ぜた選択肢が並ぶ
- 報告義務者を選ばせる … 防火対象物の関係者であって点検業者ではない
- 点検資格者の要件を選ばせる … 実務経験の年数(1年・2年・5年)
▶️ 「点検の期間」を数字で断定させる問題が出たら、それは告示の知識です。施行規則は「1年以内で消防庁長官が定める期間ごと」としか書いていないので、条文だけで答えを出そうとすると詰まります。テキストで告示側の数字を確認しておいてください。
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出典: 消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)第31条の6。2026年4月1日時点で施行されている版を e-Gov 法令検索で確認しました。点検の具体的な期間および点検の方法・報告書の様式は消防庁長官が定めるものとされており、法令本体には数値がありません。最新の出題範囲は消防試験研究センターの案内で確認してください。











