公害防止管理者 水質関係の第1種から第4種に共通する3科目、公害総論・水質概論・汚水処理特論を、本試験と同じ五肢択一で練習できる40問を用意しました。公害防止管理者 (水質関係) の練習問題 から1問ずつ解けます。第4種はこの3科目だけで構成されているので、第4種を受ける人はここが出題範囲のすべてです。第1種から第3種を受ける人にとっては、75問中50問 (第1種)、65問中50問 (第2種)、60問中50問 (第3種) を占める共通部分になります。
この記事では、40問の構成と使い方に加えて、令和8年度の受験案内から読み取れる法令の基準日、合格基準の扱い、免除申請の有無で3倍違う合格率の読み方を整理します。数字はすべて産業環境管理協会 (JEMAI) の公式資料から取り、末尾に出典を置いています。
水質関係の4区分と共通する3科目
公害防止管理者等国家試験は13の区分に分かれていて、水質関係はそのうち4区分です。公式の受験案内には「各試験科目の問題は、試験区分を問わず共通の問題です」という注記があり、科目ごとに同じ問題が使われます。
| 区分 | 科目 | 問題数 | 受験料 (非課税) |
|---|---|---|---|
| 水質関係第1種 | 公害総論・水質概論・汚水処理特論・水質有害物質特論・大規模水質特論 | 75問 | 12,300円 |
| 水質関係第2種 | 公害総論・水質概論・汚水処理特論・水質有害物質特論 | 65問 | 11,600円 |
| 水質関係第3種 | 公害総論・水質概論・汚水処理特論・大規模水質特論 | 60問 | 12,300円 |
| 水質関係第4種 | 公害総論・水質概論・汚水処理特論 | 50問 | 11,600円 |
区分の違いは、選任できる工場の「有害物質を含む汚水等を排出する施設かどうか」と「排出水量が1日1万m³以上かどうか」の2軸で決まります。第1種は有害物質あり・1万m³以上の大規模工場まで対応でき、第4種は有害物質なし・1万m³未満の工場に選任できる資格です。この対応関係は公害防止組織法施行令の別表第二に書かれていて、40問のうち公害総論の1問でそのまま出題しています。
3科目の問題数と試験時間は、公害総論が15問50分、水質概論が10問35分、汚水処理特論が25問75分です。汚水処理特論だけで第4種の50問の半分を占めるので、学習時間の配分もここに寄せるのが自然です。
令和8年度の日程と法令の基準日
令和8年度の試験日は2026年10月4日 (日) の予定で、申込受付は7月1日から7月31日まででした。受験票は9月3日に発送済みで、合格予定者の速報が11月16日、官報公示と合格証書の発送が12月15日の予定です。受験資格はなく、試験の方法は五者択一 (正解は1つ) のマークシートです。
受験案内には法令等の適用日として「試験問題の解答に当たり適用すべき関係法令及びJISは、令和8年4月1日時点施行のものとします」と書かれています。公式の試験科目の範囲にも「受験年度の4月1日現在施行のもの」という恒常のルールがあるので、令和9年度に受ける人は2027年4月1日が基準になります。
ぴよパスの40問は、2026年4月1日時点で施行されている条文を e-Gov 法令検索から取得して作りました。あわせて現行の条文とも比べましたが、水質汚濁防止法・大気汚染防止法・騒音規制法・土壌汚染対策法・廃棄物処理法で変わっていたのは「環境大臣の権限の委任先」の名称だけ (地方環境事務所長から地方環境局長) で、環境基本法、公害防止組織法と同施行令、水質汚濁防止法施行令、排水基準を定める省令に差はありませんでした。答えに影響する改正はありません。
合格基準は「試験後に決まる」と案内されている
多くの対策本には「各科目6割」と書かれていますが、公式の受験案内にその数字はありません。令和8年度の合否判定基準は、科目合格者を「当該試験科目において合格基準を満たした者」、区分合格者を「当該試験区分の資格取得に必要な試験科目のすべてに合格した者」と定め、「各科目の合格基準については、2026 (令和8) 年度国家試験終了後に開催する公害防止管理者等国家試験 試験員委員会において決定します」としています。
6割が目安であること自体は例年の運用として広く知られていますが、事前に確定した数字ではないので、この記事でも「目安」として扱います。準備としては各科目7割を安定して取れる状態を目標にしておくと、基準が動いても余裕があります。
科目別合格制度もあります。合格した科目は「合格した年の初めから3年以内」に同一の区分を受験する場合、出願時に管理番号を記入して申請すると免除されます。申請しないと免除されません。別の区分に移るときは、区分合格の合格証書番号を記入すれば、その区分に含まれていた科目は期限なく免除されます。ただし管理番号による科目合格の免除は同一区分でしか使えないので、第3種で科目合格した公害総論を第4種の受験に持ち込むことはできません。
合格率は「免除申請なし」の列で読む
産業環境管理協会が公表した令和7年度の試験結果から、水質関係の区分別の合格率を抜き出します。分母は受験者数です。
| 区分 | 受験者数 | 合格率 (全体) | 免除申請あり | 免除申請なし |
|---|---|---|---|---|
| 水質関係第1種 | 6,041人 | 46.7% | 65.1% | 22.9% |
| 水質関係第2種 | 1,327人 | 26.5% | 54.9% | 10.7% |
| 水質関係第3種 | 574人 | 39.7% | 59.3% | 18.8% |
| 水質関係第4種 | 2,501人 | 31.6% | 56.4% | 17.5% |
| 全13区分 | 19,845人 | 36.2% | 53.9% | 14.9% |
第1種の46.7%だけを見ると第4種より易しく見えますが、第1種の受験者には他の区分で合格済みの人が科目免除で受けている割合が多く、免除申請なしでは22.9%です。初めて受ける人の実感に近いのは右端の列で、水質関係はどの区分でも1割から2割強です。
もう一つ注意したいのは、令和7年度の全体平均36.2%が前年より10.3ポイント高い年だったことです。令和5年度が23.6%、令和6年度が25.9%なので、36.2%を平年値として計画を立てると見込みが甘くなります。水質関係の受験者は4区分の合計で10,443人と全体の52.6%を占めていて、この試験は実質的に水質の試験だと言えます。
40問の構成と使い方
40問は本試験の3科目にそろえた3つのカテゴリに分けました。
- 公害総論 14問: 環境基本法の公害の定義・環境基準・環境基本計画と公害防止計画・基本理念と環境の日、公害防止組織法の特定工場・公害防止統括者・公害防止管理者と代理者・主任管理者・罰則・第4種で選任できる施設、国際条約、4大公害病、大気汚染防止法の定義、環境影響評価法。
- 水質概論 12問: 水質汚濁防止法の目的と無過失責任・定義・排水基準と上乗せ基準・届出と60日の実施制限・直罰と改善命令・総量規制、排水基準を定める省令の数値、水質環境基準の構成、富栄養化と溶存酸素、有害物質の健康影響、BOD・COD・大腸菌数などの指標。
- 汚水処理特論 14問: 沈降分離と水面積負荷、凝集、加圧浮上と油水分離、ろ過と膜分離、活性炭吸着、イオン交換、中和、六価クロムとシアンの酸化還元、重金属の水酸化物法と硫化物法、活性汚泥法と変法、生物膜法と嫌気性処理、硝化脱窒とりん除去、汚泥の含水率計算。
すべての問題で5つの肢ごとに理由を書き、条文で答えが決まるものには条番号を付けています。「誤っているものはどれか」の問題では、正解の肢だけでなく残りの4つがなぜ正しいかまで読むと、1問で5つの論点を確認できます。本試験の公害総論15問・水質概論10問・汚水処理特論25問という配分に対して、ぴよパスは14・12・14問なので、汚水処理特論は本試験のほうが比重が大きい点は意識してください。
数値は法律ではなく省令と告示にある
水質概論で問われる数字の多くは、水質汚濁防止法の条文そのものには書かれていません。排水基準の許容限度 (pH 5.8〜8.6、BOD・COD 160 mg/L、SS 200 mg/L、カドミウム 0.03 mg/Lなど) は「排水基準を定める省令」の別表にあり、生活環境項目の基準が排出水量50 m³/日以上の事業場に適用されることも同じ省令の備考にあります。環境基準の数値は「水質汚濁に係る環境基準について」という告示、公害防止管理者を選任すべき施設の区分は公害防止組織法施行令の別表、総量規制の指定項目と指定水域は水質汚濁防止法施行令にあります。
40問の解説では、この「どの法令のどこにあるか」を毎回書いています。条文を自分で確かめる習慣がつくと、改正があった年でも自力で追えるようになります。
公式の過去問の公開範囲と教材
産業環境管理協会の「国家試験の問題と正解」のページで無料で読めるのは直近1年分だけで、過年度のPDFは削除されます。5年分をまとめて解説つきで確認するには、協会が編集する「2021〜2025年度 公害防止管理者等国家試験 正解とヒント 水質関係第1種〜第4種」(2026年4月発行) が定番です。区分別に厚く演習したい人には、オーム社の「2026-2027年版 公害防止管理者試験 水質関係 攻略問題集」が出題分野ごとに整理されています。資格認定講習用の公式テキスト「新・公害防止の技術と法規 (水質編) 2026年版」は1,192ページと大部で、辞書として手元に置く使い方が向いています。
ぴよパスの40問は、これらの公式の過去問題や書籍を転載したものではありません。条文と公式の試験科目の範囲から独自に作ったオリジナル問題なので、公式の過去問と組み合わせて、条文の理解が身についているかを確かめる用途で使ってください。
まとめ
水質関係の4区分はどれも公害総論・水質概論・汚水処理特論を共通で受け、第4種はこの3科目だけです。法令の基準日は受験年度の4月1日で、令和8年度は2026年4月1日です。合格基準は公式には試験後に決まるので6割は目安にとどめ、合格率は免除申請なしの列 (水質関係で1割から2割強) で読むのが実態に近い見方です。40問の練習問題 で3科目の論点を一通り確認し、公式の過去問1年分で本番の形式に慣れる流れをおすすめします。
出典
- 一般社団法人産業環境管理協会「令和8年度 公害防止管理者等国家試験 受験案内」(https://www.jemai.or.jp/polconman/examination/dd4ht300000017rm-att/jyukenguide2026rev2.pdf)
- 同「令和7年度 公害防止管理者等国家試験結果」(https://www.jemai.or.jp/polconman/examination/dd4ht300000005fn-att/R07resultssummary1.pdf)
- 同「試験科目の範囲」(https://www.jemai.or.jp/polconman/examination/dd4ht300000005eq-att/pol_subjects1.pdf)
- 同「試験区分別・科目別試験時間」(https://www.jemai.or.jp/polconman/examination/dd4ht300000005eq-att/poltimetable1.pdf)
- 同「国家試験の問題と正解」(https://www.jemai.or.jp/polconman/examination/past.html)
- e-Gov 法令検索: 環境基本法、特定工場における公害防止組織の整備に関する法律・同施行令、水質汚濁防止法・同施行令、排水基準を定める省令、大気汚染防止法、環境影響評価法 (2026年4月1日時点施行版)
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