主催は日本コンプライアンス・オフィサー協会で、運営は経済法令研究会です。きんざいの「AML/CFTスタンダードコース」は主催者も法令の基準も別の試験なので、案内や教材を探すときは主催者名まで確かめてください。
試験の形と認定率
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形式 | 三答択一 50問(各2点) |
| 時間 | 90分 |
| 認定の基準 | 100点満点中70点以上(紙の回は「試験委員会にて最終決定」の但し書きあり) |
| 科目 | 基礎知識 / 犯罪収益移転防止法 / 外為取引 / リスクベース・アプローチ(科目ごとの問題数は公式ページに記載なし) |
| 方式 | CBT(2026年4月27日〜2027年3月31日)と、紙の全国一斉公開試験 |
| 受験料 | 5,500円(CBTは事務手数料330円が別) |
紙の回の成績は次のとおりです。認定率は、ほかの試験の合格率にあたる数字です。
| 回 | 実施日 | 受験者 | 認定率 | 平均点 |
|---|---|---|---|---|
| 第63回 | 2024年10月27日 | 2,099人 | 78.47% | 76.59点 |
| 第64回 | 2025年3月2日 | 1,600人 | 50.63% | 68.36点 |
| 第66回 | 2025年10月26日 | 1,619人 | 54.35% | 69.60点 |
| 第67回 | 2026年3月1日 | 1,555人 | 65.02% | 74.08点 |
回によって認定率に20ポイント以上の差があり、第64回と第66回は平均点が基準の70点を下回りました。三択だから簡単、とは言えません。
[実践][基本][取引時確認]の違い
3つの種目があり、どれも三答択一50問・90分・70点以上です。[実践]は主に営業店の管理者向けで、法制度と実務対応を問います。[基本]は主に一般の行職員・パートの方向け、[取引時確認]は主に窓口業務の方向けです(2026年度からCBTのみ)。ぴよパスの練習問題は、いまは[実践]だけです。
正解率の低かった論点
協会は回ごとに、正解率の低かった問題の論点を公表しています(第64回と第66回の会報は正解率30%未満の問題、第67回の事務局報は「正解率の低かった問題」として)。
| 回 | 正解率の低かった論点 | ぴよパスの分野 |
|---|---|---|
| 第64回 | 犯罪収益移転防止法 | 国内の関連法令と対策の変遷 |
| 第64回 | 取引時確認 | 特定取引と取引時確認 |
| 第64回 | リスクの特定・評価・低減 | リスクベース・アプローチと管理態勢 |
| 第66回 | 日本国内の対策と変遷、マネロン等関連法令 | 国内の関連法令と対策の変遷 |
| 第66回 | ガイドラインにおける管理態勢 | リスクベース・アプローチと管理態勢 |
| 第66回 | 犯罪収益移転防止法と外為法 | 外為法と外為取引 |
| 第67回 | マネロン等関連法令 | 国内の関連法令と対策の変遷 |
| 第67回 | 取引時確認(顧客が自然人以外のときを含む) | 特定取引と取引時確認 |
| 第67回 | 犯罪収益移転防止法と外為法、国外送金等に係る報告義務 | 外為法と外為取引 |
関連法令は3回続けて、犯収法と外為法の比較は2回続けて挙がっています。会報で分かるのは論点の名前までです。
犯収法と外為法は、この表で比べる
犯収法は犯罪による収益の移転防止に関する法律、外為法は外国為替及び外国貿易法です。「10万円相当額」は、外貨の取引を円に換算した額です。
| 見るところ | 犯収法の取引時確認 | 外為法の本人確認 |
|---|---|---|
| 現金の受払い | 200万円超 | 資本取引に係る契約に基づくものなら200万円相当額超(本人確認済みの顧客を除く) |
| 現金を伴う振込 | 10万円超 | 外国へ向けた支払いか、居住者の顧客と非居住者の間の支払等なら10万円相当額超 |
| 口座からの振替で外国へ送金 | 現金の基準には当たらない | 10万円相当額超 |
| 預金の契約 | 口座の開設は金額を問わない | 非居住者との預金契約など、資本取引は金額を問わない |
| 両替 | 200万円超 | 200万円相当額超 |
| 個人の顧客で確かめること | 氏名・住居・生年月日に加え、取引の目的と職業 | 氏名・住所または居所・生年月日まで |
犯収法は、金額を下回っていても、疑わしい取引や、1回の金額を減らすために分けたと一見して明らかな取引なら確認の対象になります。
報告の基準は別にあります。
| 制度 | 基準 | 誰が出すか |
|---|---|---|
| 支払等の報告(外為法) | 3,000万円相当額超(貨物の輸出入に直接伴う支払いなどは除く) | 支払いをした顧客(銀行の為替取引によるものは銀行を経由) |
| 国外送金等調書(国外送金等調書法) | 100万円超 | 金融機関が翌月末までに税務署へ |
1問で試す
次の問いは、ぴよパスの外為法と外為取引の問題を短くしたものです。
普通預金口座の30万円を振替で外国の親族へ送る依頼を受けた。送金はこの金融機関が自ら行う。金額の基準はどうなるか。
答えは「外為法の基準には当たるが、犯収法の10万円の基準には当たらない」です。外為法の基準は支払いの方法を問わず、外国へ向けた送金が10万円相当額を超えるかどうかで決まります。犯収法のこの10万円は、現金の受払いをする取引で為替取引を伴うものの基準なので、振替には当たりません。現金を伴わない預金の払戻しにも別の10万円の基準がありますが、他の事業者が行う為替取引のための定めで、自ら送金するこの問いには当たりません。
同じ「10万円」でも、外為法は支払いの向きと相手が非居住者かを見て、犯収法は現金の受払いがあるかを見ています。金額と一緒に、何を見る基準なのかを押さえます。
三択で、消去に頼らない解き方
三択は、言い切りが強い肢や極端な肢を消すだけで当たることがあります。ぴよパスのリスクベース・アプローチの問題を、試験の知識を使わせずに AI に解かせて測ると、ほかの分野より当たりやすく、書き直してもその傾向が残りました。「リスクに応じて判断する」が内容そのものなので、穏当に読める肢を選びたくなるからです。
本試験ではこの分野にも、正解率が30%を下回った問題があります(第64回と第66回)。穏当な肢を選ぶ癖がつくと危ないので、次の順で解きます。
- 答えを選ぶ前に、3つの肢それぞれの誤りの理由を言う。たとえば「これは第1線(営業部門)と第2線(管理部門)の取り違え」のように、どこが違うかを言葉にします。
- 数字が出たら、どの法律の、どの取引の基準かを言う。「200万円」で止めず、「犯収法の現金の受払い」まで言います。
- 解説の最後の文を、自分の言葉で言い直す。ぴよパスの解説は、その問題で覚えることを最後の1文に置いています。
- ガイドラインの問題は場面に戻す。自分が支店の管理者なら誰に何を頼むかを考え、第1線・第2線・第3線(内部監査)の誰の仕事かを確かめます。
7分野90問の使い方
金融AMLオフィサー[実践]の練習問題は、すべて独自に作ったもので、本試験の問題ではありません。7分野はぴよパスの分け方で、本試験の配分を示すものではありません。解説には金額や期間の出どころと、用語の意味を書いています。
| 分野 | 問題数 | 先に押さえること |
|---|---|---|
| マネロンの基礎と国際的な枠組み | 9問 | マネロン・テロ資金供与・拡散金融の違い、FATFの勧告の変遷 |
| 国内の関連法令と対策の変遷 | 9問 | 麻薬特例法から犯収法までの流れ、犯罪収益を隠す罪と受け取る罪 |
| 特定取引と取引時確認 | 16問 | 金額の基準、確認が要らない取引、法人の実質的支配者 |
| 確認の方法とハイリスク取引 | 11問 | 本人確認書類、厳格な確認が要る取引 |
| 記録・疑わしい取引の届出・態勢 | 9問 | 記録の起算点、届出の判断の項目 |
| 外為法と外為取引 | 18問 | 上の比較の表、報告の基準、経済制裁の確認 |
| リスクベース・アプローチと管理態勢 | 18問 | リスクの特定・評価・低減の順、3つの防衛線 |
第69回(紙)は 2026年12月6日(日)10:00〜11:30 で、申込は10月19日に締め切られました。これから受けるならCBTで、2027年3月31日まで受けられます。申込は3月28日までで、予約は申込日から3日目以降です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 特定取引と取引時確認。金額の基準を、法律ごとに表で書き出す |
| 2週目 | 確認の方法、記録・届出。起算点と保存の期間を言えるようにする |
| 3週目 | 外為法。上の比較の表を何も見ずに書く |
| 4週目 | 基礎と関連法令の変遷。正解率の低い回が続く論点なので、法律ができた順と広がった範囲を言えるようにする |
| 5週目 | リスクベース・アプローチ。肢ごとの誤りの理由を言いながら解き、間違えた問題を全分野で解き直す |
本試験の問題に近い形で練習するには、協会編の『金融AMLオフィサー[基本][実践]対策問題集 2026年度受験用』があります(目次の末尾に本試験の問題と解答の章があります)。
2027年に受ける方へ
CBTの期間の後半に改正があるので、受ける時期と教材の版を確かめてください。
- 2027年1月4日: 外為法第17条(銀行等の確認義務)の改正が施行されます。銀行等が確認しなくてよい資本取引の支払等を政令で定める形になります。
- 2027年4月1日: 犯収法施行規則の改正で、本人確認は原則としてICチップ情報の読み取りや送信によることになり、非対面では原則として本人確認書類の画像や写しを使えなくなります(各金融機関等の判断で先に実施する場合があります)。外為法側の本人確認の方法を定める省令も、同じ日に変わります。
ぴよパスの問題のうち、この施行規則の改正の前後で答えが変わるものは、問題文に「2026年4月1日現在施行の省令による」と書いています。試験の法令の基準日は公式の案内に見当たらないので、心配なら経済法令研究会に確かめてください。
迷いやすいところ
金融コンプライアンス・オフィサー2級と、どちらから受けますか
決まった順番はないので、仕事で必要な方からで構いません。[実践]はどなたでも受験でき、金融コンプライアンス・オフィサー2級にも受験資格はありません。範囲が違う別の試験で、金融コンプライアンス・オフィサー2級の練習問題も無料で解けます。
CBTと紙で、内容は変わりますか
経済法令研究会の案内では、CBTの出題範囲・難易度は紙の試験と同様です。ただし、勤務先で必修になっている場合に同じものとして扱うかは、勤務先の判断とされています。職場の指定で受ける方は、先に担当の部署へ確かめてください。CBTは問題を持ち帰れません。
紙の回の応募者の約6割は信連・農協の方です(第66回で63.01%、第67回で57.06%)。ぴよパスの問題も、銀行だけでなく農協や信用金庫の場面を混ぜています。
CBTは、不合格でも受け直せますか
受け直せます。CBT-Solutionsの種目の案内に、再受験は「何回でも受験予約可能」とあります。受験のたびに受験料がかかるので、間違えた分野を解き直してから予約します。
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出典
- 経済法令研究会「金融AMLオフィサー[実践](CBT)」(形式・科目・合格基準・受験料): https://www.khk.co.jp/exam/exam_detail.php?pid=54604&oid=2000002
- 経済法令研究会「金融AMLオフィサー[実践](全国一斉公開試験)」(第69回の日程と申込期間): https://www.khk.co.jp/exam/exam_detail.php?pid=53054&oid=42
- CBT-Solutions「金融AMLオフィサー[実践]」(受験資格・再受験・申込期間): https://cbt-s.com/examinee/examination/k-aml_practice.html
- CBT-Solutions「AML/CFTスタンダードコース」(別の主催者の試験): https://cbt-s.com/examinee/examination/5h7.html
- 経済法令研究会 よくあるご質問(CBTと紙の扱い): https://www.khk.co.jp/faq/
- 日本コンプライアンス・オフィサー協会 試験案内: https://jcoa.khk.co.jp/guidelines.html
- 銀行業務検定協会「2026年度 実施概要」: https://www.kenteishiken.gr.jp/upfiles/pdf/7361.pdf
- 日本コンプライアンス・オフィサー協会 会報 No.63(第63回の成績): https://jcoa.khk.co.jp/upfiles/pdf/6946.pdf
- 日本コンプライアンス・オフィサー協会 会報 No.64(第64回の成績・正解率の低かった論点): https://jcoa.khk.co.jp/upfiles/pdf/7141.pdf
- 日本コンプライアンス・オフィサー協会 会報 No.66(第66回の成績・正解率の低かった論点): https://jcoa.khk.co.jp/upfiles/pdf/7381.pdf
- 銀行業務検定協会 事務局報 No.354(第67回の成績・正解率の低かった論点): https://www.kenteishiken.gr.jp/upfiles/pdf/7634.pdf
- 経済法令研究会『金融AMLオフィサー[基本][実践]対策問題集 2026年度受験用』: https://www.khk.co.jp/book/book_detail.php?pid=54711
- e-Gov 法令検索: 犯罪による収益の移転防止に関する法律・同施行令・同施行規則: https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000022
- e-Gov 法令検索: 外国為替及び外国貿易法・外国為替令: https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228
- 警察庁 JAFIC 周知用チラシ(2027年4月1日からの本人確認): https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/pdf/chirashi20260623.pdf
- 金融庁「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」(令和8年3月31日): https://www.fsa.go.jp/news/r7/amlcft/20260331/02.pdf
![金融AMLオフィサー[実践]の対策|犯収法と外為法の比べ方と、7分野90問の練習問題](/images/blog/_cover/cover-v4-study.webp)

