危険物乙4 に合格した人にとって、乙3 は「もう一度 35 問・2 時間の試験を受け直す」試験ではありません。乙種免状を持っていれば法令と物理化学が全部免除され、受験するのは性質・消火の 10 問だけ。試験時間はわずか 35 分です。
この免除制度こそ、乙4 のあとに乙3・乙5 と類を広げていく定番ルートが成立する理由です。この記事では、一般財団法人 消防試験研究センターが公表している免除の内容を正確に整理し、免除受験の合格ラインと勉強の絞り方をまとめます。
科目免除の3パターン (センター公表の内容)
乙種危険物取扱者試験の科目免除は、持っている資格によって次の 3 パターンに分かれます。
| 免除資格 | 対象の類 | 受験する科目 | 問題数 | 試験時間 |
|---|---|---|---|---|
| (ア) 乙種免状を有する | 全類 | 性質・消火のみ (法令・物化は全部免除) | 10問 | 35分 |
| (イ) 火薬類免状を有する | 1類・5類 | 法令 15問 + 物化 4問 + 性消 5問 (物化・性消は一部免除) | 24問 | 1時間30分 |
| (ウ) 乙種免状 + 火薬類免状 | 1類・5類 | 性消 5問のみ | 5問 | 35分 |
乙3 の受験で使えるのは (ア) の乙種免状による全部免除です。乙4 でも乙6 でも、乙種であればどの類の免状でも対象になります。いずれのパターンも申請制で、願書に免状のコピーを添付して申請します。
なお火薬類免状による免除 (イ・ウ) の対象は乙1・乙5 だけで、乙3 には適用されません。火薬類免状とは、甲種・乙種・丙種の火薬類製造保安責任者免状と、甲種・乙種の火薬類取扱保安責任者免状を指します。
免除後の合格ライン: 10問中6問。1問の重みが激増する
危険物取扱者試験の合格基準は科目ごとに 60% 以上です。免除された科目は判定対象から外れるため、免除受験の乙3 は性質・消火 10 問中 6 問が実質的な合格ラインになります。
ここで注意したいのは、試験が軽くなると同時に1 問の重みが 3.5 倍になることです。免除なしの 35 問なら 1 問のミスは全体の 3% 弱ですが、10 問受験では 1 問が 10%。4 問落とした時点で不合格が確定します。「10 問だけだから前日にさっと見れば大丈夫」と考えて、第 3 類の各物質の性状をあいまいなまま受けるのが、免除受験の典型的な失敗パターンです。
勉強は「第3類の性質」だけに全振りできる
免除受験の最大のメリットは、勉強範囲を第 3 類の性質・消火に完全に絞れることです。乙4 で学んだ法令や物理化学の復習は不要。やるべきは、自然発火性物質及び禁水性物質という第 3 類の個性を、物質ごとに正確に覚えることだけです。
第 3 類の学習で核になるのは「水と空気、どちらに触れると危険か」の整理です。多くの物質が禁水性で注水消火が厳禁という、乙4 の第 4 類とは別の消火判断が問われます。乾燥砂などで窒息消火する、保護液中に貯蔵する物質がある、といった第 3 類特有の扱いを、物質名と対にして覚えていきます。
ぴよパスの 乙3 性質・消火の練習問題 (88 問) は、この範囲を全問解説付きで演習できます。10 問の本番に対して 88 問の在庫があるので、「出題のされ方」を変えながら同じ物質を複数回転できるのが強みです。仕上げには 乙3 の模擬試験で時間を計って通し演習をしておくと、35 分の短期決戦でも落ち着いて見直しまで回せます。
乙4を持っていない人はどうするか
乙種免状をまだ持っていない場合、乙3 を単独で受けると法令 15 問・物理化学 10 問・性質消火 10 問の 35 問・2 時間の試験になります。この場合は、実務での使い道が広く教材も充実している乙4 を先に取ってから、免除で乙3 以降を回収していくのが定番ルートです。乙4 と乙3 の関係や取る順番については、乙4 と乙3 の違い・ダブル取得の記事で詳しく整理しています。
まとめ
- 乙種免状 (乙4 など全類対象) があれば、乙3 は性消 10 問・35 分の試験になる
- 免除は申請制。願書に免状のコピー添付を忘れない
- 合格ラインは 10 問中 6 問 (60%)。1 問の重みが大きく、あいまい暗記は通用しない
- 勉強は第 3 類の「水・空気との危険な組み合わせ」と消火方法の対に絞る
危険物乙3 の練習問題 (全 174 問・解説付き)は登録不要・無料で使えます。乙4 の知識が新しいうちに、免除ルートで類を広げてしまいましょう。











