危険物丙種の試験は、四肢択一の計 25 問・試験時間 1 時間 15 分です。内訳は「危険物に関する法令」10 問、「燃焼及び消火に関する基礎知識」5 問、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」10 問。合格基準は各科目 60% 以上の足切り方式で、法令 6 問・燃焼消火 3 問・性質消火 6 問をすべて満たす必要があります。
この構成が意味することはシンプルです。捨て科目は作れない。そして問題数がいちばん少ない燃焼消火こそ、1 問の重みが最大になります。この記事では科目ごとの出題の性格と、つまずきにくい学習順を整理します。
なお、一般財団法人 消防試験研究センターは公式サイトの「過去に出題された問題」ページで丙種の公開問題 PDF (25 問・解答付き) を提供しており、実際の出題形式をそのまま確認できます。出題の全体像をつかむ最初の 1 セットとして目を通しておく価値があります。
法令 (10問): 「丙種に何ができて何ができないか」と数字の暗記
法令は 10 問中 6 問が合格ラインです。出題の中心は大きく 3 つの群に分かれます。
1 つ目は丙種という資格そのものの範囲です。丙種が取り扱えるのはガソリン・灯油・軽油・第 3 石油類 (重油、潤滑油及び引火点 130℃以上のものに限る)・第 4 石油類・動植物油類という特定の品名だけで、第 4 類全部を扱えるわけではありません。さらに、無資格者の取扱いへの立会いはできない、危険物保安監督者にはなれない、一方で定期点検は自ら行えるし立会いもできる——この「できる・できない」の境界線は、丙種試験でもっとも確実に問われる論点です。
2 つ目は指定数量とその倍数です。ガソリン 200L、灯油・軽油 1,000L、重油 2,000L という代表値と、複数の危険物を同じ場所で貯蔵するときは品名ごとの倍数を合算するという計算ルール。数字の入れ替えで誤答を誘う出題が定番です。
3 つ目は手続きと設備の基準です。免状の書換え・再交付、仮貯蔵の承認 (消防長又は消防署長・10 日以内)、標識や掲示板の色、運搬容器の表示。「誰に・いつまでに・何色か」を対で覚えると取りこぼしが減ります。
危険物に関する法令の練習問題 (34問) では、この 3 群を全問解説付きで演習できます。
燃焼消火 (5問): 問題数最少・1問の重みは最大
燃焼及び消火に関する基礎知識は 5 問しかなく、3 問正解がボーダーです。2 問落とした時点で残り全問正解が必須になる、実は 3 科目でいちばん危険な科目です。
出題されるのは、燃焼の三要素、引火点と発火点の違い、燃焼範囲の読み方、静電気が点火源になる仕組み、そして窒息・冷却・除去・抑制という消火方法の分類。いずれも「原理を一度理解すれば安定して取れる」タイプの論点で、暗記量そのものは多くありません。だからこそ、ここを最初に固めてしまうのが丙種攻略の定石です。引火点・燃焼範囲の考え方は、次の性質消火でガソリンや灯油の危険性を理解する土台にもなります。
燃焼及び消火に関する基礎知識の練習問題 (20問) で、5 問の出題範囲を集中的にカバーできます。
性質消火 (10問): ガソリン・灯油・軽油・重油の「比較」で解く
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法は 10 問中 6 問がラインです。主役は丙種が扱う 4 つの油——ガソリン・灯油・軽油・重油。単品の知識ではなく比較で問われるのが特徴です。
引火点はガソリンが -40℃以下で最も低く、灯油 40℃以上、軽油 45℃以上、重油 60℃以上と続く。色はガソリンだけがオレンジ色に着色されている。いずれも水より軽く水に溶けないから、火災時の注水は燃えた油を広げてしまう。この「4 つの油を並べて覚える」型ができていれば、選択肢の大半はその場で消せます。
もう 1 つの頻出群が取扱いの実務です。静電気対策 (接地・流速を抑える・湿度)、蒸気が空気より重く低所に滞留すること、灯油とガソリンの混合の危険、乾性油の自然発火。生活感のある題材が多く、燃焼消火で学んだ原理の応用問題として出題されます。
危険物の性質と消火の練習問題 (48問) で、比較表が頭に入るまで反復できます。
つまずきにくい学習順: 燃焼消火 → 性質消火 → 法令
3 科目の性格を踏まえると、おすすめの順序は燃焼消火 → 性質消火 → 法令です。
燃焼消火は分量が少なく原理中心なので、最初の 1〜2 日で土台を作れます。その土台の上で性質消火に進むと、「ガソリンの引火点が -40℃以下」という数字が「常温で常に引火可能な状態」という意味を持って入ってきます。具体的な物質のイメージができてから法令に進めば、指定数量や取扱範囲の数字も丸暗記ではなく整理として覚えられます。
仕上げは通し演習です。丙種の模擬試験 は本試験と同じ 25 問構成 (法令 10・燃焼消火 5・性質消火 10)・75 分で、科目別の足切り判定まで再現します。1 周目で 60% を割った科目が、そのままあなたの重点復習先です。
まとめ
- 丙種は 25 問 (法令 10・燃焼消火 5・性質消火 10)・各科目 60% の足切り。捨て科目は作れない
- 最少 5 問の燃焼消火が実は最も危険。原理理解で最初に固める
- 性質消火は 4 つの油の比較で覚える。法令は「できる・できない」と数字の対で覚える
- 学習順は燃焼消火 → 性質消火 → 法令、仕上げに本試験構成の模擬試験
ぴよパスの丙種対策は 全 102 問の練習問題 をすべて解説付きで公開しています。科目別に解き進めて、足切りのない状態で本番に臨んでください。










