扱えるのは6つだけ
危険物の規制に関する規則第49条は、丙種危険物取扱者が取り扱える危険物を次のとおり限定しています。
ガソリン、灯油、軽油、第三石油類(重油、潤滑油及び引火点130度以上のものに限る。)、第四石油類及び動植物油類
つまり6品目です。
| 扱える | 具体例 |
|---|---|
| ガソリン | 自動車ガソリン |
| 灯油 | 暖房用・洗浄用 |
| 軽油 | ディーゼル燃料 |
| 第三石油類(限定つき) | 重油、潤滑油、引火点130度以上のもの |
| 第四石油類 | ギヤー油、シリンダー油 |
| 動植物油類 | 菜種油、ヤシ油 |
第三石油類には限定が付いている点が要注意です。第三石油類にはクレオソート油やニトロベンゼンなども含まれますが、丙種が扱えるのは重油・潤滑油・引火点130度以上のものだけです。「第三石油類なら何でも」ではありません。
すべて第4類(引火性液体)の中の一部で、第1類・第2類・第3類・第5類・第6類には一切触れられません。
できないことの方が重要
丙種の制限で実務上いちばん効くのは、扱える品目の少なさではなく権限そのものが無いことです。
同じ規則第49条は、立会いができるのを甲種危険物取扱者と乙種危険物取扱者に限っています。丙種は条文の立会いの対象に入っていません。
| 甲種 | 乙種 | 丙種 | |
|---|---|---|---|
| 自分で取り扱う | 全種類 | 免状の類 | 上記6品目のみ |
| 無資格者の作業に立ち会う | ○ | 免状の類で○ | × |
| 危険物保安監督者になる | ○ | 免状の類で○(要実務6か月) | × |
| 定期点検を行う | ○ | ○ | ○ |
立会いができないのが決定的です。ガソリンスタンドで無資格のアルバイトが給油する場面には、甲種か乙4の有資格者が立ち会う必要があり、丙種では代われません。セルフのスタンドで顧客の給油を監視する業務も、立会いに当たるため丙種では担えません。
保安監督者にもなれないので、丙種だけでは「その施設の責任者」になる道が閉じています。
なお定期点検そのものは丙種でも行えます。
それでも丙種を取る意味
制限を並べると見劣りしますが、丙種が向く場面ははっきりしています。
① 自分で扱えれば足りる仕事 配送ドライバー(タンクローリーでの運搬)、ボイラーの燃料管理、建設機械への給油など、立会いを求められず自分で作業する職種では丙種で十分機能します。
② 試験の負担が軽い 丙種は法令10問・燃焼及び消火に関する基礎知識5問・性質消火10問の計25問で、乙種の35問より少なく、物理化学の代わりに「燃焼及び消火に関する基礎知識」という軽い科目になっています。消防団員として5年以上勤務し消防学校の基礎教育または専科教育(警防科)を修了していれば、その5問が全部免除され20問・1時間になります。
③ 手が動く実感を先に得る 危険物に初めて触れるなら、丙種で用語と法令の骨格を掴んでから乙4へ進む道もあります。ただし丙種は乙種の科目免除の対象外なので、乙4を受けるときは3科目35問をそのまま受けることになります。この点は先に知っておくべきです。
迷っているなら乙4を直接狙う判断もある
「立会いができるか」が仕事に効くなら、最初から乙4を目指すほうが早い場合があります。乙4はガソリン・灯油・軽油を含む第4類すべてを扱え、立会いも保安監督者も可能です。試験は35問と増えますが、丙種→乙4と2回受けるより、乙4を1回受けるほうが総コストは低くなります。










