丙種の暗記対象は、実は多くありません。合否を分ける数字と対応関係は、指定数量の並び・4 つの油の引火点・手続きの相手方・標識と掲示板の色の 4 グループにほぼ集約されます。逆に言えば、この 4 グループを「バラバラの豆知識」として覚えると、選択肢の数字を 1 つずらされた瞬間に崩れます。
この記事では、丙種の暗記を「並び」と「ペア」で整理する方法と、思い出すきっかけになる語呂合わせをまとめます。
指定数量は「2 倍・5 倍」の並びで覚える
丙種が扱う危険物の指定数量は次の 5 つです。
- ガソリン (第 1 石油類・非水溶性): 200L
- 灯油・軽油 (第 2 石油類・非水溶性): 1,000L
- 重油 (第 3 石油類・非水溶性): 2,000L
- 第 4 石油類 (ギヤー油など): 6,000L
- 動植物油類: 10,000L
覚え方のコツは、数字を個別に暗記せず危険性が下がるほど指定数量が大きくなる階段として見ることです。200 → 1,000 は 5 倍、1,000 → 2,000 は 2 倍。「ニセん (2,000) の重油はイチバン (1,000) の灯油の倍」のように、隣どうしの関係で覚えると 1 つ思い出せれば芋づる式に復元できます。
語呂の例: 「ガソリンにひゃく (200)、灯油・軽油はせん (1,000)、重油はにせん (2,000)」。リズムで口に出して覚えたら、法令の練習問題の倍数計算で実際に使ってみてください。計算に使った数字は、読むだけの暗記より格段に残ります。
引火点は「氷点下組」と「常温では引火しない組」に分ける
4 つの油の引火点は、丙種の性質消火で最も確実に出題される数字です。
- ガソリン: -40℃以下
- 灯油: 40℃以上
- 軽油: 45℃以上
- 重油: 60℃以上
まず大事なのは、細かい数字の前に2 グループに割ること。氷点下のガソリンだけが「一年中いつでも引火する」側、残り 3 つは「常温 (20℃) では引火しない」側です。この区分だけで、性状問題の選択肢はかなり消せます。
そのうえで灯油と軽油の順序。語呂は「トシ (灯油 40) より ケイゴ (軽油 45) が年上」——50 音でも灯→軽の順、数字も 40→45 の順です。重油は「重い油は ロクジュウ (60) 越え」。引火点の低い順 = 危険な順 (ガソリン→灯油→軽油→重油) は、指定数量の小さい順とも一致するので、2 つの並びを重ねて覚えると相互チェックになります。
手続きは「相手方とのペア」で覚える
法令の手続き問題は、「何をするか」と「誰に対してか」の組み合わせを入れ替えて出題されます。丙種で押さえるべきペアは 3 つです。
- 承認 = 仮貯蔵・仮取扱い → 消防長又は消防署長 (10 日以内)
- 許可 = 製造所等の設置・変更 → 市町村長等
- 交付 = 危険物取扱者免状 → 都道府県知事
語呂は「しょうにん (承認) はしょうぼう (消防) へ」「きょか (許可) はしちょうそん (市町村) へ」。承認・許可・交付という行為と行政庁を必ずセットで口に出すのがポイントです。あわせて、免状の写真は撮影から 10 年で書換え、亡失した免状を発見したら10 日以内に提出——「10 年と 10 日」の対比も定番の入れ替えどころです。
標識・掲示板は「色と場所」で覚える
- 移動タンク貯蔵所 (タンクローリー) の標識: 黒地に黄色の反射文字で「危」
- 第 4 類の「火気厳禁」掲示板: 赤地に白文字
- 「禁水」の掲示板: 青地に白文字 (丙種の第 4 類では出番がない、という対比で覚える)
「黒バックに黄色のキ (危)」「火気厳禁は赤 (火の色) に白抜き」と、色をイメージと結びつけるのが早道です。運搬容器の表示も第 4 類は「火気厳禁」——容器も掲示板も第 4 類は火気厳禁で統一、と覚えてしまえば 2 論点が 1 つになります。
語呂は入口、定着させるのは演習
語呂合わせは「思い出すきっかけ」であって、理解の代わりにはなりません。丙種の本試験は、覚えた数字を 1 つずらした選択肢や、手続きの相手方を入れ替えた選択肢で揺さぶってきます。語呂で数字が出てくるようになったら、全 102 問の練習問題でその数字が実際にどう問われるかを体験し、仕上げに模擬試験 (本試験と同じ 25 問構成・科目別判定つき) で「覚えたつもり」が残っていないかを確認してください。










