衛生管理者(第一種)の過去問は、安全衛生技術試験協会が「公表試験問題」として、直近2回分のPDFを無料で載せています。 2026年10月20日時点では、令和8年10月掲載(2026年1〜6月に実施した試験)と令和8年4月掲載(2025年7〜12月に実施した試験)の2回分で、それぞれ本番と同じ44問です。正答は選択肢の前の「○」で示されていますが、解説はありません。
この記事では、協会のページの記載をもとに、入手先、PDFに載っているものと載っていないもの、試験の形と5つの範囲の足切り、協会が書いている法令の注意と、古い問題で答えが変わる改正の例、解いた後の使い方を整理します。ぴよパスは公表問題を転載しません。見に行く先を案内します。
結論: 第一種衛生管理者の過去問
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入手先 | 安全衛生技術試験協会のサイトのメニュー「過去問題」→「労働安全衛生法に基づく免許試験」(公表試験問題のページ) |
| 載っている回 | 直近2回分(2026年10月20日時点: 令和8年10月掲載・令和8年4月掲載) |
| 1回分の中身 | 問1〜問44(本番と同じ)。正答は選択肢番号の前の「○」 |
| 解説 | 無い。個々の問題と正答の問合せにも応じない |
| 更新 | これまでは4月1日と10月1日(協会のお知らせ: 2025年10月1日・2026年4月1日・2026年10月1日) |
| 法令の注意 | いま載っている2回分も「令和8年1月1日以降に施行された法令に対応しておりません」 |
入手先は協会サイトの「過去問題」メニュー
協会のサイトでは、メニューの「過去問題」→「労働安全衛生法に基づく免許試験」が公表試験問題のページです(ページの題は「【公表試験問題】労働安全衛生法に基づく免許試験」)。ボイラー技士やクレーン・デリック運転士などの免許試験と一緒に、試験ごとの行で表に並んでいます。第一種衛生管理者の行のすぐ下が第二種衛生管理者なので、取り違えないようにします。
| 掲載 | 問題を実施した期間 | PDF(44問・正答付き) |
|---|---|---|
| 令和8年10月掲載 | 2026年1月〜6月 | 令和8年10月掲載分を開く |
| 令和8年4月掲載 | 2025年7月〜12月 | 令和8年4月掲載分を開く |
- 実施期間は、ページの注記「下表の令和8年10月掲載の試験問題は令和8年1月から6月までに、令和8年4月掲載の試験問題は令和7年7月から12月までに実施したものです」によります。「4月掲載」は、4月に行われた試験ではありません。
- それぞれ問1〜問44の1冊で、どの日の試験から取ったかは、ページにもPDFにも書かれていません。試験は全国の会場で毎月のように行われていますが、公表されているのは各掲載で1冊です。
- 表に並ぶのは直近の2回分だけで、それより前の掲載分(令和7年10月掲載など)は、2026年10月20日時点の表にありません。
- 本試験の問題冊子は持ち帰れません(公表問題のPDFの表紙の注意事項)。本試験の問題を見られるのは、協会が公表する分だけです。
第二種衛生管理者の公表問題は、第二種衛生管理者の過去問の記事で案内しています。
PDFに載っているもの、載っていないもの
| 載っているもの | 載っていないもの |
|---|---|
| 問1〜問44の問題(本番の冊子と同じ並び) | 解説 |
| 正答(選択肢番号の前の「○」) | どの日に実施した回か |
| 表紙の注意事項(試験時間・特例・免除のときに解く範囲) | 点数の配分の表(協会の試験案内のページにある) |
- 協会は「個々の試験問題及び正答、正答例に関する問合せには応じられません」としています。
- 公表問題の利用の条件(印刷・配布など)を書いた文は、ページに見当たりません。ぴよパスは、問題文を転載せず、協会のページへの案内にとどめます。
試験の形と、5つの範囲の足切り
公表問題を解く前に、本番の形と合格基準を押さえておきます(協会「第一種・第二種衛生管理者のご紹介」)。
| 科目 | 範囲 | 問題数(配点) | 公表問題の問番号 |
|---|---|---|---|
| 関係法令 | 有害業務に係るもの | 10問(80点) | 問1〜問10 |
| 労働衛生 | 有害業務に係るもの | 10問(80点) | 問11〜問20 |
| 関係法令 | 有害業務に係るもの以外のもの | 7問(70点) | 問21〜問27 |
| 労働衛生 | 有害業務に係るもの以外のもの | 7問(70点) | 問28〜問34 |
| 労働生理 | — | 10問(100点) | 問35〜問44 |
- 五肢択一式で、試験時間は3時間(13:30〜16:30)。合計は44問・400点です(表の点を足した値)。
- 合格基準: 科目ごと(範囲が分かれている科目は範囲ごと)の得点が40%以上で、かつ合計が60%以上。第一種は関係法令と労働衛生がそれぞれ2つの範囲に分かれるので、足切りは5つの範囲ごとにかかります。
- 目安として計算すると、有害業務の範囲(1問8点)は4問、有害業務以外の範囲(1問10点)は3問、労働生理は4問を取れば40%に届き、合計は240点が60%です。
- 第二種の免許を持つ人(特例第一種衛生管理者免許試験を受ける人)は、有害業務の2つの範囲(問1〜問20)だけを2時間で解きます。労働生理の免除を受ける人(船員法の衛生管理者適任証書を持ち、その後1年以上労働衛生の実務に従事した人)は、問1〜問34を2時間15分で解きます。公表問題を解くときも、自分が本番で解く範囲と時間に合わせます。
- 受験手数料は8,800円。試験は全国7つの安全衛生技術センターと東京・大阪の試験場で行われ、会場によって月の回数が違います(協会の試験日の一覧)。このほか、センターの所在地以外で行う出張試験もあり、その開始時刻は会場ごとに定められます。
- 令和7年度の第一種衛生管理者の受験者数は66,401人、合格者数は31,046人、合格率は46.8%でした(協会の「統計」のページ。第二種は48.7%)。
第一種と第二種の違い
第一種と第二種の違いは「有害業務」の範囲です。労働安全衛生規則第7条第1項第3号は、農林畜水産業・鉱業・建設業・製造業・電気業・ガス業・水道業・熱供給業・運送業・自動車整備業・機械修理業・医療業・清掃業の13業種では、第一種衛生管理者免許(または衛生工学衛生管理者免許・医師など)を持つ人から衛生管理者を選ぶとしています。これらの業種の事業場では、第二種衛生管理者免許を持つ人を衛生管理者に選任すること自体ができません。
「令和8年1月1日以降に施行された法令に対応しておりません」
協会は公表試験問題のページに、いま載っている問題について「令和8年1月1日以降に施行された法令に対応しておりませんのでご注意ください」と書いています。○の正答は、2026年1月1日より前に施行された法令に基づくもので、それ以降の改正は反映されていません。古い掲載分(手元に保存したPDFや、古い問題を集めた本など)は、さらに前の法令で作られています。
衛生管理者の関係法令の範囲で、答えや論点が変わった改正の例です(e-Gov法令検索で施行日の前後の版を比べて確認)。
| 施行日 | 改正 | 古い問題を解くときの注意 |
|---|---|---|
| 2022年12月1日 | 事務所衛生基準規則第10条の照度が「一般的な事務作業 300ルクス以上・付随的な事務作業 150ルクス以上」の2区分になった(改正前は精密300・普通150・粗70) | 労働安全衛生規則第604条(作業場の照度)は300・150・70の3区分のまま。どちらの規則の話かを見分ける |
| 2024年4月1日 | 化学物質管理者・保護具着用管理責任者の選任(労働安全衛生規則第12条の5・第12条の6) | それより前の問題には、この論点そのものが無い |
| 2025年1月1日 | 衛生管理者などの選任の報告を、原則として電子申請で行う形に(第7条第3項。当分の間は書面もできる) | 「様式による報告書を提出」とする古い言い回しに注意 |
| 2026年4月1日 | 特別教育の対象(第36条第28号)が、透過写真の撮影の業務から「エックス線装置又はガンマ線照射装置を取り扱う業務」(内部が遮へいされた構造の装置を使う業務などを除く)に | 令和8年10月掲載分にも、改正前の業務名に沿った肢がある。今の条文で確かめて読む |
| 2026年8月1日 | 産業医の辞任等があったときの報告(第13条第5項の新設) | いま載っている2回分より後の改正 |
| 2026年10月1日 | 労働安全衛生法第2条第4号の作業環境測定の定義に「ばく露の程度」が入った | 同上 |
関係法令の問題で間違えたり、迷ったりしたときは、e-Gov法令検索で今の条文を開いて確かめます。労働生理は、法令の改正の影響をほとんど受けません。労働衛生にも、事務所衛生基準規則の数値(例題2)や、厚生労働省の指針・ガイドラインを問う問題があります(たとえば「騒音障害防止のためのガイドライン」は2023年4月20日に改訂)。古い問題では、今の基準で確かめます。
2回分88問の使い方
- 1回分を本番と同じ3時間で解く: 自分が解く範囲(全部・特例・免除)と時間に合わせ、○を隠して解きます。
- 5つの範囲ごとに点を出す: 合計が60%を超えていても、1つの範囲が40%に届かなければ不合格です。弱い範囲が見えたら、そこから復習します。
- 間違えた問題を確かめる: 解説が無いので、関係法令は今の条文、労働衛生・労働生理は教材で確かめます。上の改正の表に当たる問題は、今の条文で答えが同じかを見ます。
- もう1回分で確認する: 復習のあとで、残りの1回分を解いて、範囲ごとの点が上がったかを見ます。
2回分(88問)より多く解きたいときは、ぴよパスの第一種衛生管理者の練習問題を使えます。関係法令・労働衛生・労働生理の分野ごとに解け、全問に解説があります(公表問題ではなく、ぴよパスのオリジナル予想問題です)。本番と同じ形で通しで解く第一種衛生管理者 模擬試験 (Premium)もあります。
例題: ぴよパスの第一種衛生管理者の問題から
ぴよパスのオリジナル予想問題から2問です(本試験・公表試験問題の問題ではありません)。
例題1(関係法令) 常時50人以上の労働者を使う次の業種の事業場のうち、第二種衛生管理者免許を持つ人を衛生管理者に選べるものを選ぶ問題です(医療業・自動車整備業・清掃業・農林畜水産業・ゴルフ場業)。
答え: ゴルフ場業。労働安全衛生規則第7条第1項第3号イの13業種には入らない「その他の業種」なので、第二種の免許でも選べます。ほかの4つはイの業種で、第一種などでないと選べません。 この問題を解く →
例題2(労働衛生) 事務所衛生基準規則第10条が定める室の照度、採光及び照明設備について、正しいものを選ぶ問題です。
答え: 付随的な事務作業を行う室の作業面の照度の基準は、150ルクス以上。一般的な事務作業は300ルクス以上です(2022年12月1日の改正後の基準)。照明設備の定期の点検は6月以内ごとに1回です。 この問題を解く →
まとめ
- 第一種衛生管理者の過去問は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題のページで、直近2回分のPDFが無料で見られる(2026年10月20日時点: 令和8年10月掲載・令和8年4月掲載)。
- いまの2回分は、令和8年10月掲載が2026年1〜6月、令和8年4月掲載が2025年7〜12月に実施した試験の問題(協会の注記)。どの日の試験から取ったかは書かれていない。
- 正答は「○」で示されるが、解説は無い。協会は個々の問題・正答の問合せに応じない。
- 本番は44問・3時間。足切りは5つの範囲ごとに40%、合計60%。第二種の免許を持つ人は問1〜問20を2時間で解く。
- 協会は「令和8年1月1日以降に施行された法令に対応しておりません」と書いている。関係法令の問題は今の条文で確かめて使う。
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出典
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「【公表試験問題】労働安全衛生法に基づく免許試験」、お知らせ「免許試験の公表問題を更新しました。」(2025年10月1日・2026年4月1日・2026年10月1日)、「第一種・第二種衛生管理者のご紹介」「第一種・第二種衛生管理者免許試験日」「試験手数料」「統計」(いずれも2026年10月20日に確認)
- 労働安全衛生規則 第7条・第12条の5・第12条の6・第13条・第36条・第604条、事務所衛生基準規則 第10条、労働安全衛生法 第2条(e-Gov法令検索・2026年10月20日の版と、改正の前の版で確認)
- 厚生労働省「騒音障害防止のためのガイドラインの改訂について」(令和5年4月20日 基発0420第2号): https://www.mhlw.go.jp/content/001089239.pdf









