ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)の 過去問は、日本建築衛生管理教育センターが無料で公開しています。 ホームページの国家試験情報に、午前・午後の試験問題と「合格基準・正答一覧」のPDFがあります。公開されているのは 直近3年分 で、解説は付いていません。 この記事では、いま見られる年度、公開されているものとされていないもの、180問の科目の並び、合格基準での採点のしかた、何年分をどう解くかをまとめます。
いま公式で見られる年度(2026年10月12日時点)
公益財団法人日本建築衛生管理教育センターの国家試験情報の下のほうに、「過去の試験問題と合格基準・正答一覧」の欄があります。年度ごとに3つのPDFが並んでいます。
| 年度 | 公開されているPDF |
|---|---|
| 令和7年度(第55回・2025年10月5日) | 試験問題(午前)・試験問題(午後)・合格基準・正答一覧 |
| 令和6年度(第54回) | 試験問題(午前)・試験問題(午後)・合格基準・正答一覧 |
| 令和5年度(第53回) | 試験問題(午前)・試験問題(午後)・合格基準・正答一覧 |
2026年10月4日に行われた第56回(令和8年度)の分は、まだ載っていません。国家試験Q&Aは、直近3年分の合格基準・正答一覧を公表し、当年度の分は合格者発表日に公表する としています。第56回の合格者発表は令和8年11月10日(火)午前10時です。教育センターの令和7年度の事業報告書にも、合格発表で合格基準・正答と試験問題などをホームページに載せたとあります。
これまでも一覧は直近3年分で入れ替わってきたので、令和8年度の分が載ると、令和5年度の分は一覧から外れる見込みです。令和5年度の問題も解くつもりなら、先にPDFを保存しておきましょう。
公開されているもの・されていないもの
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験問題 | 午前・午後のPDF。紙の問題を読み取った画像のPDFなので、そのままでは文字の検索やコピーはできません |
| 合格基準・正答一覧 | 科目ごとの配点と合格基準点、問題番号ごとの正答の番号の表 |
| 解説 | 無い。正答一覧には「問題の内容及び正答に関するお問合せには、お答えできません」とあります |
| 公開の範囲 | 直近3年分(国家試験情報の一覧。国家試験Q&Aも、合格基準・正答一覧は直近3年分を公表するとしています) |
| 古い年度 | 公式から手に入れる方法の案内は無い |
| 自分の得点 | 個人情報の開示請求(郵送)で知ることができます。請求の翌日から30日以内に、開示するかどうかが通知されます(やむを得ない場合は延びることがあります。国家試験Q&A) |
正答一覧には、複数の選択肢を正解として扱った問題が書き添えられることがあります。令和5年度(第53回)は、問題20で(2)と(4)のどちらを選んでも正解として採点したと、正答一覧のPDFに書かれています。自分で採点するときは、表の下の注記と別のページまで読んでください。
教育センターのサイトには著作権の表示があります。過去問のPDFは自分で解く・印刷して解く分にとどめ、問題文をSNSやブログに写して配るのは控えましょう。
180問の並びと試験時間
令和7年度の問題の表紙と裏面の注意事項によると、問題は五つの選択肢から一つを選ぶ形式で、二つ以上塗ると誤りになります。電卓などの計算用具は使えません。 問題用紙は持ち帰ってよいとされています。
第56回(令和8年度)の時間割は、午前が9時30分〜12時30分、午後が13時30分〜16時30分で、それぞれ3時間です。科目の並びと配点は、令和5〜7年度の合格基準・正答一覧で同じでした。
| 時間 | 科目 | 問題番号 | 配点 | 合格基準点(40%) |
|---|---|---|---|---|
| 午前(90問) | 建築物衛生行政概論 | 1〜20 | 20 | 8点 |
| 午前(90問) | 建築物の環境衛生 | 21〜45 | 25 | 10点 |
| 午前(90問) | 空気環境の調整 | 46〜90 | 45 | 18点 |
| 午後(90問) | 建築物の構造概論 | 91〜105 | 15 | 6点 |
| 午後(90問) | 給水及び排水の管理 | 106〜140 | 35 | 14点 |
| 午後(90問) | 清掃 | 141〜165 | 25 | 10点 |
| 午後(90問) | ねずみ、昆虫等の防除 | 166〜180 | 15 | 6点 |
| 合計 | 180問 | 180 | 117点(65%) |
配点は問題の数と同じで、1問1点です。令和5〜7年度の合格基準では、7科目すべてで40%以上、かつ合計で65%(117点)以上 が必要でした。合計が117点以上でも、1科目でも40%に届かなければ不合格になります。
合格率は年度によって動きます。令和7年度(第55回)は受験者7,131名・合格者2,180名で30.6%、国家試験Q&Aによると過去55回の平均は18.9%です。年度ごとの推移は「ビル管理士の合格率」にまとめています。
正答一覧で採点するときの手順
過去問を解いたら、正答一覧で次の順に数えます。
- 科目ごとの正解数を数える — 上の表の問題番号の区切りで、7科目に分けて数えます。
- 各科目の合格基準点と比べる — 行政概論8点・環境衛生10点・空気環境18点・構造概論6点・給排水14点・清掃10点・ねずみ昆虫6点。一つでも下回った科目があれば、そこが最優先の復習先です。
- 合計が117点に届いたかを見る — 届いていなければ、配点の大きい空気環境の調整(45点)と給水及び排水の管理(35点)で、どこを落としたかを見直します。
何年分を、どう解くか
- 令和7年度の午前・午後を、本番と同じ3時間ずつで解く — 電卓を使わず、計算問題も手で解きます。午前と午後の間に昼休みをはさんで、1日で通すと本番の疲れ方が分かります。
- 正答一覧で科目ごとに採点する — 合計点より先に、40%を割った科目が無いかを見ます。
- 間違えた問題はテキストで理由を確かめる — 正答一覧は番号だけなので、なぜその肢なのかは自分で調べます。基準値(建築物環境衛生管理基準の数値など)は、法令の条文で確かめると覚え違いを防げます。
- 令和6年度・令和5年度も通す — 3年分を解くと、どの科目で点を落としやすいかが見えてきます。
- 足りなければ、市販の年度別の解説集で年度を足す — 公式の3年分を解いても40%を割る科目が残るなら、解説の付いた本でそれより前の年度も解きます。選び方は「ビル管理士の問題集はどれを買う?」にまとめています。
例題: ぴよパスの予想問題から2問
例題1(必要換気量) 1人あたりのCO₂発生量を0.02m³/h、室内の基準濃度を1,000ppm、外気のCO₂濃度を400ppmとして、1人あたりの必要換気量を選ぶ問題です。
答え: 約33m³/h。必要換気量は「CO₂の発生量 ÷(室内の基準濃度 − 外気の濃度)」で、0.02 ÷(0.001 − 0.0004)= 0.02 ÷ 0.0006 ≒ 33.3m³/hです。ppmを小数に直すところ(1,000ppm = 0.001)で桁を間違えやすいので注意します。 この問題を解く →
例題2(混合空気の温度) 35.0℃の外気1,200m³/hと27.0℃の還気2,800m³/hを混ぜたときの温度を、密度と比熱は等しいとして選ぶ問題です。
答え: 約29.4℃。風量で重みを付けた平均で、(1,200 × 35.0 + 2,800 × 27.0)÷(1,200 + 2,800)= 117,600 ÷ 4,000 = 29.4℃です。答えは必ず27.0℃と35.0℃の間で、風量の多い還気の温度に近くなります。単純な平均の31.0℃を選ばないようにします。 この問題を解く →
ぴよパスでは、ビル管理士の出題範囲から作ったオリジナル予想問題320問を、4つのカテゴリに分けて無料で公開しています。全問が本試験と同じ五肢択一で、解説が付いています。
当サイトの問題について
ぴよパスの問題は、日本建築衛生管理教育センターの試験問題を写したものではなく、出題範囲と法令・公的な資料をもとに独自に作った オリジナルの予想問題 です。
出典
- 公益財団法人日本建築衛生管理教育センター「国家試験情報」(過去の試験問題と合格基準・正答一覧・第56回の試験日・合格発表)
- 日本建築衛生管理教育センター「第56回試験概要」(試験科目と時間割・合格者発表の期間)
- 日本建築衛生管理教育センター「令和7年度 試験問題」の午前・午後(表紙と裏面の注意事項: 問題の数と解答時間・五肢択一・計算用具の禁止・問題用紙の持ち帰り)
- 日本建築衛生管理教育センター「合格基準・正答一覧」(令和7年度・令和6年度・令和5年度。配点・合格基準点・問題番号・令和5年度の問題20の採点)
- 日本建築衛生管理教育センター「第55回(令和7年度)建築物環境衛生管理技術者試験の合格者発表について」(受験者数・合格者数・合格率)
- 日本建築衛生管理教育センター「令和7年度 事業報告書」(合格発表で合格基準・正答・試験問題などをホームページに掲載したこと)
- 日本建築衛生管理教育センター「国家試験Q&A」(合格基準・正答一覧は公表されますか。・合格率はどのくらいですか。・自分の得点を知ることはできますか。)
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- ビル管理士の問題集はどれを買う? — 年度別の解説集と公式の問題の使い分け
- ビル管理士の合格率 — 年度ごとの推移と、各科目40%・全体65%の二重の基準
- ビル管理士の計算問題の攻略法 — 換気量・湿り空気線図・照度などの計算問題の解き方
- ビル管理士のよく出る分野 — 管理基準の数値・設備の仕組み・法令の3つにまとめた頻出の論点






