銀行業務検定試験 相続アドバイザー2級 遺産分割・遺言・遺留分 練習問題 第1問: Aさんは2026年4月20日に死亡し、相続人は妻B・長男C・長女Dの3人である。遺言はない。Aさんの遺産には、P銀行の普通預金(相続開始時の残高1,200万円)
Aさんは2026年4月20日に死亡し、相続人は妻B・長男C・長女Dの3人である。遺言はない。Aさんの遺産には、P銀行の普通預金(相続開始時の残高1,200万円)と、自宅の金庫に保管されていた現金300万円がある。長男Cは、遺産分割協議の前に、他の相続人に無断でこの現金300万円を持ち出して使ってしまった。遺産分割の対象と範囲に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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正解: 1. Cが使った現金300万円は、BとDが同意すれば、Cの同意がなくても、遺産分割の時に遺産として存在するものとみなせる。
「Cが使った現金300万円は、BとDが同意すれば、Cの同意がなくても…みなせる。」が適切です。民法第906条の2第1項は、遺産分割前に遺産に属する財産が処分された場合でも、共同相続人はその全員の同意により、その財産が遺産分割時に遺産として存在するものとみなせると定め、同条第2項は、共同相続人の一人が処分したときはその者の同意を要しないとしています。したがってB・Dの同意で足ります。「当然に分割され、遺産分割の対象にならない」は、最高裁平成28年12月19日大法廷決定が、共同相続された普通預金債権は相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となるとしたことと合いません。「法定相続分に相当する額の全額を、単独で」は誤りで、分割前に単独で行使できるのは、民法第909条の2により相続開始時の債権額の3分の1に法定相続分を乗じた額(法務省令で定める額が上限)に限られます。「一部の分割で取得したものとはみなされず」は誤りで、同条後段は、権利を行使した預貯金債権は、その相続人が遺産の一部の分割により取得したものとみなすとしています。実務では、分割前の払戻しの上限と、払い戻した額が後の分割で精算されることをあわせて説明しましょう。
根拠・参照資料: 民法第906条の2第1項・第2項・第909条の2
関連キーワード: 遺産分割の対象・預貯金債権・遺産分割前の処分・民法第906条の2
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