この講習は学科と実技の両方があり、修了試験も学科試験と実技試験で行われます。ぴよパスでは、酸欠則・労働安全衛生法令・告示などの条文と公的資料で確かめたオリジナルの四肢択一60問を、学科の4科目に分けて用意しました。このページでは、その60問の使い方と、修了試験の形式・数字で決まる論点をまとめます。
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の練習問題を科目別に解く →
技能講習と修了試験の形式 (告示と登録教習機関の案内から)
| 区分 | 科目 | 講習時間 (告示133号) | ぴよパスの問題数 |
|---|---|---|---|
| 学科 | 酸素欠乏症、硫化水素中毒及び救急そ生に関する知識 | 3時間 | 16問 |
| 学科 | 酸素欠乏及び硫化水素の発生の原因及び防止措置に関する知識 | 4時間 | 20問 |
| 学科 | 保護具に関する知識 | 2時間 | 12問 |
| 学科 | 関係法令 | 2時間30分 | 12問 |
| 実技 | 救急そ生の方法 (人工呼吸の方法・人工そ生器の使用方法) | 2時間 | — |
| 実技 | 酸素及び硫化水素の濃度の測定方法 (測定器の取扱い・測定位置の選定) | 2時間 | — |
| 合計 | 学科11時間30分・実技4時間 | 60問 |
- 修了試験の方法: 告示は、修了試験を学科試験と実技試験とし、学科試験は学科の科目について筆記試験または口述試験で、実技試験は実技の科目について行うと定めています。細目は厚生労働省労働基準局長の定めに委ねられていますが、酸欠の講習の配点と合格基準を定めた通達は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。
- 合格基準の公表例: 千葉労働基準協会連合会は、学科試験 (1時間) を「各科目40%以上、かつ総合で60点以上」、実技試験 (濃度の測定・救急そ生のそれぞれ1時間) を「80点以上」と公表しています。ほかに確かめた機関の案内には、合格基準の記載が見当たりませんでした。
- 日数と試験の時間: 千葉労働基準協会連合会は3日間、愛媛労働基準協会は2日間で行うと案内していて、機関によって日数が違います。千葉労働基準協会連合会は学科試験を1時間、愛媛労働基準協会は全ての講義の後の修了試験を1時間としています。
- 問題数と形式: 問題は登録教習機関が作り、国が定めた共通の問題は示されていません。2026年11月に案内を確かめた機関では、問題数の公表は見当たりませんでした。
- 実技の一部免除: 日本赤十字社の救急法の講習を修了して救急員認定証を受けた人などは、実技の「救急そ生の方法」の受講の免除を受けられます (告示133号第6条)。
- ぴよパスの問題数: 配点が公表されていないので、学科の講習時間の比 (3:4:2:2.5) をもとに、16問・20問・12問・12問に分けました。
学科の4科目と練習問題60問の対応
| 科目 (ぴよパスの分野) | 問題数 | 主な論点 |
|---|---|---|
| 酸素欠乏症、硫化水素中毒及び救急そ生に関する知識 | 16問 | 酸素欠乏症の症状、硫化水素中毒の症状 (嗅覚のまひ・肺水腫)、心肺蘇生 (胸骨圧迫・人工呼吸・AED) |
| 酸素欠乏及び硫化水素の発生の原因及び防止措置に関する知識 | 20問 | 酸化などで酸素が減る仕組み、硫化水素が出る場所 (し尿・汚水など)、酸素欠乏危険場所、濃度の測定と測定の位置、換気の方法と純酸素の禁止 |
| 保護具に関する知識 | 12問 | 空気呼吸器・酸素呼吸器・送気マスクの使い分け、使ってはいけない保護具、墜落制止用器具、救出用の設備と器具、保守点検 |
| 関係法令 | 12問 | 作業主任者の選任と職務、特別の教育、作業環境測定と記録、人員の点検と監視人、退避と立入禁止、事故の報告 |
どの問題も、正しいもの (または誤っているもの) を1つ選ぶ四肢択一で、4つの肢すべてに理由を書いた解説が付いています。過去問 (実際の修了試験の問題) の転載ではありません。
数字で決まる論点 — 先に覚える13個
酸欠則 (2026年10月1日時点で施行の版) などの条文で確かめた数字と決まりを、似たものどうしで並べました。
| 何を | 数字・決まり | 根拠 |
|---|---|---|
| 酸素欠乏 | 空気中の酸素の濃度が18%未満の状態 | 酸欠則第2条第1号 |
| 硫化水素の基準 | 空気中の硫化水素の濃度が百万分の十 (10ppm) を超える状態が「酸素欠乏等」 | 酸欠則第2条第2号・第4号 |
| 換気で保つ濃度 | 酸素18%以上 (第二種の作業では、あわせて硫化水素10ppm以下) | 酸欠則第5条第1項 |
| 換気に使ってはいけないもの | 純酸素 | 酸欠則第5条第3項 |
| 作業環境測定 | その日の作業を開始する前 (第二種の作業では酸素と硫化水素) | 酸欠則第3条第1項 |
| 測定の記録の保存 | 3年間 | 酸欠則第3条第2項 |
| 作業主任者による濃度の測定 | その日の作業の開始前、全員が作業場所を離れた後に再び作業を始める前、身体や換気装置などに異常があったとき | 酸欠則第11条第2項第2号 |
| 換気できない場合に備える空気呼吸器等 | 同時に就業する労働者の人数と同数以上 | 酸欠則第5条の2第1項 |
| 空気呼吸器等・墜落制止用器具等の点検 | その日の作業を開始する前 | 酸欠則第7条 |
| 人員の点検 | 作業場所に入場させる時と退場させる時 | 酸欠則第8条 |
| 救出の作業 | 救出する労働者にも空気呼吸器等を使わせる | 酸欠則第16条 |
| 労働者が酸素欠乏症等にかかったとき | 遅滞なく、所轄の労働基準監督署長に報告 | 酸欠則第29条 |
| 実技講習の単位 | 10人以内の受講者を1単位 (学科はおおむね100人以内) | 告示133号第5条第3項 |
覚え方のコツ: 濃度は「酸素は18%を下回ったら危険、硫化水素は10ppmを超えたら危険」と、向きが逆になることに注意します。時期は「その日の作業の前」がくり返し出てくる (測定・保護具の点検) ので、1か月や1年の決まりと混ぜないようにします。
直感と逆になりやすい論点
- 換気に純酸素を使ってはいけない: 酸素が足りないなら酸素を入れればよい、と考えがちですが、酸欠則第5条第3項は換気に純酸素を使うことを禁じています。
- 助けに入る人も空気呼吸器等が要る: 倒れた人を見つけてすぐに飛び込むと、救助する人も倒れるおそれがあります。酸欠則第16条は、救出する作業に従事する労働者に空気呼吸器等を使わせるよう定めています。
- 防じんマスク・防毒マスクでは代わりにならない: 換気できない場合に使わせるのは、空気呼吸器・酸素呼吸器・送気マスク (空気呼吸器等) です (酸欠則第5条の2)。周りの空気をろ過して吸う防じんマスクや防毒マスクは、酸素が足りない空気を吸うことに変わりがないので、ここに含まれていません。
- 第二種の講習を修了すれば第一種の作業も担当できる: 酸欠則第11条第1項は、第一種酸素欠乏危険作業の作業主任者を、第一種と第二種のどちらの講習の修了者からも選べるとしています。逆に、第二種酸素欠乏危険作業 (し尿・汚水などを入れたタンクやマンホールの内部など) は、第二種の講習の修了者からしか選べません。
- 労働者以外の人にも及ぶ: 2023年4月1日から、作業の一部を請け負う人など労働者以外で作業に従事する人への配慮や周知が加わり、2026年4月1日には、こうした人を「作業従事者」という言葉でまとめる改正がありました。退避 (第14条) や人員の点検 (第8条) は作業従事者も対象です。
まだ施行されていない改正 (2026年11月時点)
2027年4月1日に施行される改正 (作業に従事する役員などへの特別の教育など) は、2026年11月時点では施行されていません。ぴよパスの練習問題は2026年10月1日時点で施行されている法令で作っているので、これを正しい肢として扱っていません。また、心肺蘇生などの手順は「救急蘇生法の指針 2025 (市民用)」で変わった点があり、消防庁が2026年10月23日にその対応を各地の消防に通知しています。講習のテキストがどの版の指針に沿っているかは、講習で確かめてください。
失点しやすい準備のしかたと当日の準備
講習を受けていても失点しやすいのは、次のような準備のしかたです (出題範囲からの見立てで、不合格になった人を調べたものではありません)。
- 濃度の数字を混ぜる: 18%と10ppm、「未満」と「超える」、「以上」と「以下」の向きを取り違えると、まとめて失点します。上の表で向きまで確かめておきます。
- 保護具の名前をあいまいにする: 空気呼吸器・酸素呼吸器・送気マスクと、防じんマスク・防毒マスクの違いは、保護具の科目だけでなく関係法令の問題にも出てきます。
- 関係法令の主語を読まない: 測定や点検を誰が行うか (事業者か、作業主任者か) と、いつ行うかを条文ごとに確かめます。
- 実技を学科と切り離す: 測定の位置の選び方や人工呼吸の手順は、学科で理由を知っておくと実技の説明が頭に入りやすくなります。
当日は、講師がテキストに線を引くよう指示した箇所を休憩時間に見直してください。ぴよパスの60問は、講習の前の予習と、講習の後の確認の両方に使えます。科目ごとに解けるので、苦手な科目だけをくり返すこともできます。
まとめ
- 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習は、学科11時間30分と実技4時間。修了試験は学科試験と実技試験で行われる。
- 全国共通の配点と合格基準は公表されていない (今回調べた範囲)。公表例の千葉労働基準協会連合会は、学科が各科目40%以上かつ総合60点以上、実技が80点以上。
- 問題数を公表している機関は見当たらない。合格率の全国集計も見当たらない。
- 酸素18%・硫化水素10ppm、その日の作業の前の測定と点検、純酸素で換気しない、救出する人も空気呼吸器等、を先に固める。
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出典
- 酸素欠乏症等防止規則 (e-Gov 法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000042 (2026年11月6日確認)
- 労働安全衛生法施行令 (e-Gov 法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/347CO0000000318
- 酸素欠乏危険作業主任者技能講習及び酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習規程 (昭和47年労働省告示第133号・厚生労働省 法令等データベース): https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=74139000&dataType=0&pageNo=1
- 厚生労働省 技能講習の修了者数 (衛生関係): https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001631419.pdf
- 消防庁救急企画室 「救急蘇生法の指針 2025(市民用)」への対応について (2026年10月23日): https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/20261023_kyuuki_01.pdf (2026年11月6日確認)
- 千葉労働基準協会連合会 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習: https://chibaroukiren.com/session/39/ (2026年11月6日確認)
- 建設業労働災害防止協会 神奈川支部 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習: https://kensaiboukanagawa.com/archives/521 (2026年11月6日確認)
- 愛媛労働基準協会 技能講習: https://ehimerouki.jp/workshop/skill_training/ (2026年11月6日確認)
- 東京労働基準協会連合会 八王子支部 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の案内 (令和8年度): https://www.toukiren.or.jp/shibu/hachiouji/2026/2026kousyuu/PDF/2026sanketsu.pdf (2026年11月6日確認)



