講習の最後には筆記の修了試験があります。ぴよパスでは、労働安全衛生法令・告示・通達で確かめたオリジナルの四肢択一60問を、講習の4科目に分けて無料で公開しています。講習の前の予習と、修了試験の前の確認に使えます。
作業主任者が要る乾燥設備 (施行令第6条第8号)
乾燥設備とは、熱源を用いて火薬類以外の物を加熱乾燥する乾燥室と乾燥器のことです。次のどちらかに当たる設備で加熱乾燥の作業をするときに、作業主任者が要ります。
| 区分 | 大きさの線 |
|---|---|
| 危険物等に係る設備 (危険物と、危険物が発生する乾燥物) | 内容積が1立方メートル以上 |
| それ以外の物に係る設備で、熱源に燃料を使うもの | 最大消費量が固体燃料で毎時10kg以上、液体燃料で毎時10L以上、気体燃料で毎時1立方メートル以上 |
| それ以外の物に係る設備で、熱源に電力を使うもの | 定格消費電力が10kW以上 |
事業者は、選任した作業主任者の氏名と行わせる事項を、作業場の見やすい箇所に掲示するなどの方法で関係労働者に知らせます (労働安全衛生規則第18条)。
技能講習と修了試験の形式 (告示と登録教習機関の案内から)
講習の科目と時間は、乾燥設備作業主任者技能講習規程 (昭和47年労働省告示第102号) の第2条で次のように決まっています。実技講習はありません。
| 講習科目 | 講習時間 |
|---|---|
| 乾燥設備及びその附属設備の構造及び取扱いに関する知識 | 4時間 |
| 乾燥設備、その附属設備等の点検整備及び異常時の処置に関する知識 | 4時間 |
| 乾燥作業の管理に関する知識 | 5時間 |
| 関係法令 | 2時間 |
修了試験について、告示第3条は次のことを決めています。
- 技能講習では、修了試験を行う。
- 修了試験は、講習科目について、筆記試験で行う (口述試験の定めはありません)。
- それ以外の細目は、厚生労働省労働基準局長が定める。
全国共通の配点と合格基準を定めた局長の通達の本文は、今回調べた範囲では確かめられませんでした。登録教習機関の案内では、次のような例があります (2026年11月時点)。
- 愛媛労働基準協会と静岡県労働基準協会連合会は、修了試験を1時間と案内しています。
- 静岡県労働基準協会連合会は、技能講習の試験をマークシートで行うと案内しています。
問題数と合格の線を公表している機関は見つかりませんでした。受講する機関の案内で確かめてください。
受講資格は労働安全衛生規則 別表第六が定めています。乾燥設備の取扱いの作業に5年以上従事した人、大学・高等専門学校の理科系統の学科を卒業して1年以上、高校・中等教育学校の理科系統の学科を卒業して2年以上、乾燥設備の設計・製作・検査または取扱いの作業に従事した人などです。
4科目と練習問題60問の対応
| 科目 | 問題数 | 主な論点 |
|---|---|---|
| 構造及び取扱い | 15 | 乾燥設備と危険物乾燥設備の意味、流動層乾燥装置のしくみ、外面と内面の材料、側部・底部・上部の構造と爆発戸、点火する箇所の換気、開口部、温度の測定と調整の装置、直火、附属の電気設備、熱源と乾燥物の間の仕切り |
| 点検整備及び異常時の処置 | 15 | 定期自主検査の事項と異常を見つけたときの扱い、使用前の掃除と換気、給気の温度と流動層、濃度の監視制御装置、発火したときの処置、静電気の対策、可燃物の置き方と防火の措置、消火設備 |
| 乾燥作業の管理 | 18 | 熱源の危険性、施行令別表第一の危険物の区分、溶剤の蒸気の重さと広がり方、爆発範囲、粉じんと溶剤の蒸気の混合物、濃度の管理と監視、不活性化、消火の原理と消火器の表示、心肺蘇生 |
| 関係法令 | 12 | 作業主任者が要る設備の線、選任できる者と職務、交替制の場合、氏名の掲示、定期自主検査の時期と記録、設置の計画の届出、危険物乾燥設備を設ける建築物 |
数字と例外で決まる論点 — 先に覚える8個
| 論点 | 決まり | 根拠 |
|---|---|---|
| 定期自主検査 | 乾燥設備とその附属設備は1年以内ごとに1回 | 安衛則第299条第1項 |
| 長く使わない設備 | 1年を超えて使わない期間は検査が要らないが、使用を再び開始する際に検査する | 安衛則第299条第1項ただし書・第2項 |
| 自主検査の記録 | 検査年月日・方法・箇所・結果・実施者・補修の内容を記録し、3年間保存 | 安衛則第299条第3項 |
| 異常を認めたとき | 補修その他必要な措置を講じた後でなければ使用しない | 安衛則第300条 |
| 危険物乾燥設備の建物 | 乾燥室を設ける部分の建築物は平家。ただし直上に階が無い場合と、耐火建築物・準耐火建築物は例外 | 安衛則第293条 |
| 直火 | 危険物乾燥設備の熱源に直火を使わない。それ以外の乾燥設備で直火を使うときは、有効な覆いまたは隔壁を設ける | 安衛則第294条第10号・第11号 |
| 附属の電気設備 | 電熱器・電動機・電灯などの配線と開閉器は、その乾燥設備に専用のものを使う | 安衛則第295条第1項 |
| 高温で乾燥した可燃性の物 | 発火の危険がない温度に冷却した後に格納する | 安衛則第296条第5号 |
取り違えやすい論点
- 危険物乾燥設備だけの決まりか: 側部と底部を堅固にする、上部を軽量な材料で造るか爆発戸・爆発孔を設ける、ガスや蒸気を安全な場所に排出する構造にする、内部に点火源となる電気機械器具を設けない、という決まりは危険物乾燥設備のものです (安衛則第294条第3号〜第5号・第295条第2項)。外面を不燃性の材料で造る、内部の温度を測定・調整できる装置を設ける、という決まりはすべての乾燥設備にかかります (第294条第1号・第9号)。
- 内面を不燃性にしなくてよい設備: 乾燥設備の内面や内部のたな・わくは不燃性の材料で造りますが、有機過酸化物を加熱乾燥するものは除かれています (安衛則第294条第2号)。
- 点火の前の換気: 液体燃料または可燃性ガスを熱源の燃料に使う乾燥設備は、燃焼室その他点火する箇所を換気できる構造にし、使うときは換気した後に点火します (安衛則第294条第6号・第296条第4号)。
- 作業主任者の職務: 乾燥設備をはじめて使うとき、乾燥方法や乾燥物の種類を変えたときは、あらかじめ作業の方法を労働者に知らせ、作業を直接指揮します。内部の温度・換気の状態・乾燥物の状態を随時点検し、乾燥設備のある場所を整理整頓して、みだりに可燃性の物を置かないようにします (安衛則第298条)。
まだ施行されていない改正 (2026年11月時点)
2027年4月1日に施行される改正で、乾燥設備の定期自主検査と補修の決まりが個人事業者にも及びます (安衛則第299条第4項・第300条第2項)。2026年11月時点ではまだ施行されていません。ぴよパスの練習問題は2026年10月1日時点で施行されている法令で作っているので、この改正を正しい肢として扱っていません。
失点しやすい準備のしかた
- 「危険物乾燥設備」と「乾燥設備」を読み飛ばす: 同じ形の文で、主語が違うだけの肢がよく作られます。主語に線を引きながら読む練習をしてください。
- 数字を単位なしで覚える: 施行令の線は、燃料の種類ごとに単位が違います (kg・L・立方メートル)。単位まで組にして覚えてください。
- 乾燥作業の管理を後回しにする: いちばん時間の長い科目で、爆発や中毒の防止、消火と救急まで範囲が広い科目です。練習問題を科目ごとに解いて、弱い所を先に見つけておくと安心です。
ぴよパスの60問は科目ごとに解けるので、苦手な科目だけをくり返すこともできます。
まとめ
- 乾燥設備作業主任者技能講習は学科4科目・15時間で、実技はなく、修了試験は筆記試験です。
- 作業主任者が要るのは、危険物等に係る設備で内容積1立方メートル以上、それ以外で燃料の最大消費量か定格消費電力が一定以上の乾燥設備です。
- 定期自主検査の1年以内ごとと記録の3年、危険物乾燥設備だけにかかる構造の決まりを先に固めると、修了試験の失点を減らせます。
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出典
- 乾燥設備作業主任者技能講習規程 (昭和47年労働省告示第102号・厚生労働省 法令等データベース): https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=74122000&dataType=0&pageNo=1 (2026年11月6日確認)
- 労働安全衛生法施行令 (e-Gov 法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/347CO0000000318 (2026年11月6日確認)
- 労働安全衛生規則 (e-Gov 法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032 (2026年11月6日確認)
- 厚生労働省「安全関係技能講習等修了者数」: https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001598253.pdf (2026年11月6日確認)
- 厚生労働省「危険物乾燥設備における爆発災害の防止について」の一部改正 (平成29年1月12日 基発0112第4号): https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc2425&dataType=1&pageNo=1 (2026年11月6日確認)
- 愛媛労働基準協会 乾燥設備作業主任者技能講習: https://ehimerouki.jp/workshop/skill_training/%E4%B9%BE%E7%87%A5%E8%A8%AD%E5%82%99%E4%BD%9C%E6%A5%AD%E4%B8%BB%E4%BB%BB%E8%80%85%E6%8A%80%E8%83%BD%E8%AC%9B%E7%BF%92/ (2026年11月6日確認)
- 静岡県労働基準協会連合会 乾燥設備作業主任者技能講習: https://www.shizukiren.or.jp/course00001.html (2026年11月6日確認)
- 京都労働基準協会 乾燥設備作業主任者技能講習: https://www.kyoukiren.or.jp/1kousyu/syorui/5kansou.html (2026年11月6日確認)


