模試や予想問題を「解いて、丸付けして、点数を見て終わり」にしていませんか。これがいちばんもったいない使い方です。乙7は合格基準に「各科目40%以上かつ全体60%以上」という足切りがあるため、合計点だけ見ても受かるかどうかは分かりません。模試の価値は点数そのものではなく、「どの科目で、なぜ間違えたか」を次の学習に折り返すところにあります。
この記事では、予想問題・模試を「解きっぱなしにしない」回し方を、受ける→分析する→補強するの順に整理します。1日で点を拾う一夜漬けの優先順位は 一夜漬け・直前対策 で別に扱っているので、ここでは演習の「質」に集中します。
この記事で分かること
- 模試・予想問題を「受ける→分析→補強」で回す具体的な手順
- 合計点ではなく科目別の得点率を見るべき理由(足切り対策)
- 間違えた問題を「知識不足・理解不足・読み違い」に分類する効用
- 電気の免除がある人の、模試での見るべきポイント
- 演習を無駄にする「解きっぱなし」の典型パターン
まず「本番形式」で1セット解く
最初の1回は、時間を計って本番と同じ形式で通しで解いてください。乙7の試験時間は1時間45分。途中で答えを見たり中断したりせず、最後まで解き切ることで「時間配分」と「現在地」が同時に分かります。
タイミングは、テキストを一通り読み終えた学習開始から3〜4週目(進捗50〜60%あたり)がおすすめです。早すぎると解けなくて落ち込むだけ、遅すぎると弱点を直す時間がなくなります。本番までに最低2〜3回は同じように通しで解いて、点数の推移を見られるようにしておくと安心です。
広告
合計点ではなく「科目別の得点率」を見る
ここが模試活用のいちばんの勘所です。乙7は1科目でも40%を下回ると、全体が60%を超えていても不合格になります。だから採点したら、まず科目ごとの得点率に分解してください。
例えば全体で65%取れていても、ある科目だけ30%なら、その科目を放置したまま本番に行くと足切りで落ちます。逆に苦手科目が45%まで上がっていれば、合格ラインは見えています。「合計は足りているのに不安」という人ほど、科目別に分けると次にやるべきことがはっきりします。漏電火災警報器の構造・機能や法令の数値など、自分のどこが薄いのかを得点率で可視化しましょう。
参考までに、市販模試や本サイトの予想問題でよく使われる科目配分の一例が次の表です(教材により異なります)。各科目40%が足切りライン、つまりおおむね下表の「足切り目安」を下回らないことが最低条件になります。
| 科目 | 問題数の例 | 足切り目安(40%) |
|---|---|---|
| 消防関係法令 | 10問 | 4問 |
| 基礎的知識[電気] | 5問 | 2問 |
| 構造・機能及び整備 | 15問 | 6問 |
| 実技(鑑別) | 5問 | 3問 |
目標は段階的に引き上げます。学習中盤の1回目で全体60%、後半の2回目で65%、直前の3回目で70%を一つの目安にすると、伸びが管理しやすくなります。
間違えた問題の原因を仕分ける
弱点補強の精度は、誤答の「原因の分類」で決まります。同じ不正解でも、原因が違えば打ち手が変わるからです。
| 誤答の原因 | 打ち手 |
|---|---|
| 知識不足(そもそも知らなかった) | テキストの該当箇所を読み直して覚える |
| 理解不足(覚えたが意味が曖昧) | なぜそうなるかを図や仕組みで確認する |
| 読み違い(知っていたのに取りこぼした) | 問題文の「正誤を問う言い回し」に注意して再演習 |
「読み違い」は意外と多く、知識を増やすより問題文の読み方を直す方が早く効きます。原因を書き添えておくと、次の模試で「同じ間違いを繰り返していないか」を確認でき、補強が空回りしません。
ぴよパスでは問題ごとに解説を確認できるため、間違えた問題の番号を手元に控えておき、数日後に再演習する使い方が効果的です。
間違えた問題を「再テストの束」にする
分析だけで終わらせず、間違えた問題は番号を控えて「あとでもう一度だけ解く束」にまとめます。乙7は範囲が漏電火災警報器に絞られているので、誤答だけを集めても数はそれほど多くなりません。1回目で間違えた問題を、数日空けてから解き直し、それでも間違えたものだけをさらに残す——この絞り込みを繰り返すと、本番直前には「自分が本当に苦手な問題」だけが手元に残ります。
ポイントは、解き直しの間隔を空けることです。間違えた直後に答えを見て覚えても、それは短期記憶でしかありません。1〜3日空けてから再挑戦して正解できれば、その知識は定着しています。直前期はこの再テストの束を回すだけで、効率よく弱点をつぶせます。
電気の免除がある人の見るべき点
電気工事士免状などで基礎的知識[電気]が免除される人は、模試でもその科目を除いた残り(消防関係法令・構造・機能及び整備・実技の鑑別)で足切り回避を確認します。免除で受験科目が減るぶん、1科目あたりの取りこぼしが合否に響きやすくなる点に注意してください。免除がない人は、電気の基礎(オームの法則など)を計算演習で別に固めておきましょう。
やりがちな失敗パターン
- 模試を1回も受けずに本番に行く: 時間配分も現在地も分からないまま本番は危険。学習中盤から最低2〜3回は通しで解く
- 合計点しか見ない: 足切りのある試験で合計だけ見ても安心できない。必ず科目別の得点率に分解する
- 解いて丸付けして終わり: 誤答を分析しなければ、次も同じ場所で間違える。原因を3分類して次の学習に折り返す
まとめ
模試・予想問題は、点数を出す道具ではなく「弱点を見つけて直す道具」です。本番形式で通しで解き、合計ではなく科目別の得点率で足切りリスクを確認し、誤答を知識・理解・読み違いに分けて補強する。この回し方なら、1回の演習から何倍もの収穫が得られます。
次にやることは一つ、予想問題を1セット通しで解いて、科目ごとの得点率を出すこと。そこから本当の弱点対策が始まります。
出典:
- 一般財団法人 消防試験研究センター 消防設備士試験 — 試験概要・出題範囲
- 消防法第 17 条の 5 (消防設備士の区分) — 甲種・乙種の規定




























































