「建築物の構造概論」と「清掃」は、空気環境や給水排水に比べて出題数が少なく、つい後回しにされがちな科目です。けれどビル管理士は各科目40%以上の足切りがあり、構造概論15問なら6問、清掃25問なら10問を割ると、他がどれだけ取れても不合格になります。配点が小さいからこそ「捨てない」が鉄則。そして範囲は広く見えても、出るところは建築構造・清掃計画・廃棄物処理の論点にほぼ固まっています。
この記事は、後回しにされがちなこの領域を整理し、丸暗記ではなく「比較」と「体系」で短時間に足切りを越える勉強法を示します。
この記事で分かること
- 配点が小さくても落とせない理由(各科目40%の足切り)
- 建築構造(RC・S・SRC)を比較で覚えるコツと、防災・電気/輸送設備の頻出論点
- 清掃の4段階体系と清掃機器の特性、床材別清掃法の押さえ方
- 廃棄物処理(産廃・一廃・マニフェスト)の数値で取る論点
- この領域でやりがちな失敗3つと回避策
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建築構造は「比較」で覚える(構造概論15問の核)
建築物の構造概論は、構造種別・建築材料・防災・建築設備(電気・輸送)まで含む横断的な科目です。まず核になる構造種別を比較で押さえます。
| 構造 | 特徴 | 弱点・注意 |
|---|---|---|
| RC造(鉄筋コンクリート) | 耐火・耐久・遮音に優れる | 自重が重く、施工に時間 |
| S造(鉄骨) | 軽量で大スパン・高層に有利 | 火災に弱く耐火被覆が必須 |
| SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート) | 強度・粘り強さが高く高層向き | コストと施工手間が大きい |
「鉄筋は引張に弱いコンクリートを補い、コンクリートは火に弱い鉄を守る」というRC造の役割分担を理解すると、材料の正誤問題が一気に解きやすくなります。あわせて、構造概論では次の論点が繰り返し出ます。
- 建築材料:コンクリートの中性化、鋼材の性質、断熱・防水材の特徴。
- 防災・防火:防火区画、避難計画、消火設備の基本。火災時の煙制御(排煙)も頻出。
- 電気設備:受変電・自家発電・予備電源、停電に備える非常用電源や蓄電池の役割。
- 輸送設備:エレベーター・エスカレーターの安全装置。地震時管制運転、戸開走行保護装置などの安全機能が頻出。
防火の論点では、「防火区画(火災を区画に閉じ込める)」「排煙設備(煙を屋外へ排出する)」「避難計画(2方向避難・避難経路)」をセットで押さえると整理しやすくなります。
清掃は「4段階体系+機器の特性+床材別」で押さえる(清掃25問の核)
清掃は範囲が広いようで、作業の段階・清掃機器の特性・床材別の手入れを体系的に押さえれば得点が安定します。
清掃の4段階体系
- 日常清掃:毎日行う基本的な清掃。
- 定期清掃:週・月単位で行う床のワックスがけ・カーペットクリーニングなど。
- 特別清掃:通常清掃の補完として実施。
- 大掃除:法令上、特定建築物では大掃除を6か月以内ごとに1回、定期に行う必要がある(義務)。
清掃機器の特性(頻出論点)
清掃機器の種類と用途の組み合わせも試験で問われます。
| 機器 | 用途・特性 |
|---|---|
| ポリッシャー | 床面のワックス磨き・洗浄。低速と高速で用途が異なる |
| バキューム(真空掃除機) | カーペット・フリーアクセスフロアの粉じん除去 |
| スクイジー | 窓ガラス・壁面の水切り |
| スチーム洗浄機 | 高温蒸気で汚れを落とす。石材への適用は素材に注意 |
| 高圧洗浄機 | 外壁・駐車場等の強力洗浄 |
機器は「名前と用途」のセットで覚えると、正誤判定が安定します。
床材別の清掃法
| 床材 | 手入れの要点 |
|---|---|
| 大理石(石材) | 酸に弱い。中性洗剤を使い、酸性洗剤はNG |
| 樹脂系(ビニル床) | ワックスとの相性が良く、定期的に塗り替え |
| リノリウム | アルカリに弱い。強アルカリ洗剤を避ける |
| カーペット | 真空掃除+定期的なシャンプークリーニング |
「素材ごとに弱点(酸・アルカリ・水)が違う」と捉えると、清掃の正誤判定が速くなります。
廃棄物処理は「数値」で取る
廃棄物処理は、分類と保存年数など数字が明確で、暗記がそのまま点になります。
- 分類:廃棄物は大きく産業廃棄物(事業活動で生じる定められた種類)と一般廃棄物に分かれる。オフィスから出る紙くずなどの扱いに注意。
- マニフェスト(産業廃棄物管理票):排出事業者が委託時に交付し、その写しは5年間保存する。
- 排出事業者責任:廃棄物を出した事業者が、最終処分までの適正処理に責任を負う。
「分類→委託→マニフェスト→5年保存」という流れを押さえれば、この分野はほぼ取りこぼしません。さらにビル内のごみは保管場所の温度管理や分別、減量(リサイクル)の考え方も問われます。「適正処理」と「減量・再資源化」の2軸で整理しておくと安定して取れます。
この領域でやりがちな失敗
- 出題数が少ないからと丸ごと後回しにする:構造概論15問・清掃25問にも40%の足切り。1科目割れば即不合格。直前期でも1周は必ず入れる。
- 建築構造を用語の丸暗記で済ます:RC・S・SRCの「長所と弱点」を比較で理解すれば、材料・防災の問題まで連動して解ける。
- 清掃機器と床材別手入れを後回しにする:清掃25問は機器の特性と床材別の組み合わせが頻出。体系と機器をセットで整理する。
まとめ:今日やる1手は「構造種別の比較表づくり」
建築物の構造概論と清掃は、配点が小さくても足切りで合否を左右します。建築構造(比較)・清掃計画と機器の特性(体系)・廃棄物処理(数値)の論点に絞れば、短い時間でも40%を確実に越えられます。
次の一手は、RC・S・SRC造の「特徴と弱点」を1枚の比較表にまとめること。これが構造概論の土台になり、材料・防災・設備の理解も乗りやすくなります。仕上げに 科目別攻略 と 給水・排水対策 で全体の優先順位を確認してください。
出典:
- 公益財団法人 日本建築衛生管理教育センター — 建築物環境衛生管理技術者試験 受験案内
- 建築物衛生法・廃棄物処理法 — 清掃・廃棄物管理の規定






































