結論:範囲は15編。1か月なら1編あたり2日でちょうど終わる
「個人情報保護士は何時間で受かりますか」という問いには、公式な答えがありません。実施団体は標準学習時間を公表していないからです。
代わりに使えるのが公式の「試験内容」に載っている編の区分です。範囲は次のように割れます。
| 課題 | 公式の試験内容での区分 | 出題 |
|---|---|---|
| 課題Ⅰ 個人情報保護法とマイナンバー法の理解 | 第1編〜第11編(11編) | 50問 |
| 課題Ⅱ 個人情報保護の対策と情報セキュリティ | 第1編〜第4編(4編・計18項目) | 50問 |
| 合計 | 15編 | 100問 |
15編です。1か月(30日)で割ると1編あたり2日。これなら現実的な計画になります。
注意 この区分は範囲の目安であって、編ごとの出題数ではありません。各編に何問出るかは公表されていません。
注意 最初に決めること:得意な側から始めない
個人情報保護士の合格基準は課題Ⅰ・課題Ⅱ それぞれ正答率70%以上です。総合点ではありません。
- 課題Ⅰで45問、課題Ⅱで30問 → 合計75点でも不合格(課題Ⅱが60%)
- 課題Ⅰで35問、課題Ⅱで35問 → 合計70点で合格
法律に強い人は課題Ⅰから、IT系の人は課題Ⅱから始めがちですが、それは伸びない側を後回しにする順番です。1か月しかないなら、苦手なほうから着手します。
4週間の割り振り
15編を4週に分けると、次の形になります。
| 週 | やること | 分量 |
|---|---|---|
| 1週目 | 課題Ⅱ 第1編「脅威と対策」+第2編「組織的・人的セキュリティ」 | 13項目 |
| 2週目 | 課題Ⅱ 第3編「オフィスセキュリティ」+第4編「情報システムセキュリティ」 | 5項目 |
| 3週目 | 課題Ⅰ 第1〜6編(総説〜保有個人データに関する義務) | 6編 |
| 4週目 | 課題Ⅰ 第7〜11編(仮名加工情報〜マイナンバー法) | 5編 |
| 直前 | 模擬試験と弱点の潰し込み | — |
課題Ⅱを先に置いているのは、範囲が狭いのに配点が同じだからです。課題Ⅱは4編で50問、課題Ⅰは11編で50問なので、1編あたりの重みが課題Ⅱのほうが2倍以上大きくなります。先に終わるほうから終わらせると、残り期間の見通しが立ちます。
1回分の学習の中身
1回あたりの作業を固定します。だらだらやらないためです。
- テキストか一次資料でその範囲を読む(15〜20分)
- その範囲に当たる問題をすぐ解く(10分)
- 間違えた選択肢だけ、なぜ誤りかを言語化する(5分)
進む ③が抜けると、2周目で同じ問題を間違えます。 「①が正しい」ではなく「②は◯◯だから誤り」を言えるようにしてください。この試験は誤りの肢を見抜く問題が多く、正解を覚えても点が伸びません。
課題Ⅰの一次資料は条文です。個人情報保護法とマイナンバー法はe-Gov法令検索で全文が無料で読めます。課題Ⅱは個人情報保護委員会のガイドラインとIPAの公開資料が接地先になります。
1週間しかない場合
範囲は15編のままなので、1日2編以上になります。これは読んで理解する速度としては現実的ではありません。1週間で挑むなら、割り切りが要ります。
- 課題Ⅱを優先する。4編18項目なら3日で一巡できる
- 課題Ⅰは定義と義務の骨格に絞る(個人情報/個人データ/保有個人データの区別、利用目的、第三者提供、開示等の請求)
- マイナンバー法は後回しにしない。範囲は狭いが独立しているので、短時間でも点になる
注意 ただし各課題70%の足切りは変わりません。1週間で片方を捨てる作戦は成立しない試験です。
直前にやること
本番は100問150分、1問あたり1分30秒です。
直前期にやる価値があるのは、時間内に100問を解き切る練習です。知識があっても時間が足りずに落ちる形は、この試験では起こります。課題Ⅱは短文が多く、課題Ⅰの条文問題は読む量が多いので、課題Ⅱを速く抜けて課題Ⅰに時間を残す配分を体で覚えておきます。
もう1つ、受験方法を確認してください。公開会場(追加費用なし)、CBT(+1,500円)、オンラインIBT(+3,000円・360度全周Webカメラを取り寄せる方式)の3つがあり、当日の動き方が変わります。
演習をどこから調達するか
この試験は、実施団体が公開している参考問題が24問しかありません。回ごとの過去問アーカイブも無いので、通しの100問は公式だけでは一度も解けません。教材の問題を解き終えたあと、演習量が足りなくなるのが典型的な詰まり方です。
ぴよパスでは個人情報保護士の練習問題476問をカテゴリ別に無料公開しています。「読んだらすぐ解く」のサイクルに使えます。
- 個人情報保護士の練習問題(課題Ⅰ 5カテゴリ・課題Ⅱ 2カテゴリ)
模擬試験は本番と同じ課題Ⅰ50問・課題Ⅱ50問の構成で、課題別70%で合否を判定します。総合点では通らない試験なので、判定の形が本番と同じであることに意味があります。
まとめ
- 範囲は課題Ⅰ11編+課題Ⅱ4編(18項目)=15編。1か月なら1編あたり2日
- 各課題70%の足切りがあるので、苦手なほうから始める
- 課題Ⅱは範囲が狭くて配点が同じなので先に終わらせる
- 1回分=「読む→すぐ解く→誤りの理由を言語化」で固定する
- 1週間なら課題Ⅱを3日で一巡し、課題Ⅰは定義と義務の骨格に絞る。片方を捨てる作戦は成立しない
- 直前は100問150分を通しで解く練習に充てる
出典
- 一般財団法人 全日本情報学習振興協会「個人情報保護士認定試験」試験概要(100問・課題Ⅰ課題Ⅱ各50問・150分/合格基準 各課題正答率70%以上/受験方法別の費用)
- 同 個人情報保護士「試験内容」(課題Ⅰ 第1〜11編/課題Ⅱ 第1〜4編と各編の項目一覧)
編集部の見方:標準学習時間は公表されていないため、この記事では時間ではなく公式の「試験内容」の区分で計画を組みました。以前は実施団体の対策講座シラバス(課題Ⅰ32小項目・課題Ⅱ23小項目=55項目)を使っていましたが、公式の試験内容は課題Ⅰが第1〜11編、課題Ⅱが第1〜4編・計18項目で区分が違うため、読者が公式サイトで照合できる側に合わせ直しました。編ごとの出題数は公表されていないので、配分の根拠としては使っていません。









