結論: 3級・2級・UC級は7割前後が合格、1級だけが年度変動の大きい最難関
まず最新の数字を即答します。色彩検定協会の公式データによると、2025年度の合格率は3級75.7%・2級72.2%・1級58.6%・UC級76.6% です (志願者は4つの級の合計で46,796人)。合格基準は 各級とも200点満点の140点前後 (UC級のみ160点前後) で、問題の難易度により多少変動します。
| 級 | 合格率 (2025年度) | 志願者数 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| 3級 | 75.7% | 25,947人 | 入門。4つの級で最もやさしい |
| 2級 | 72.2% | 14,469人 | 実務応用。一部記述あり |
| 1級 | 58.6% | 2,487人 | 最難関。二次に記述式試験 |
| UC級 | 76.6% | 3,893人 | 専門。合格ラインが160点前後と高め |
3級・2級・UC級は例年7割前後が合格するやさしめの検定です。一方、1級は2022〜2024年度が39.64〜41.79%、2025年度に58.6%へ跳ね上がる など年度による変動が大きく、二次の記述試験を含む最難関であることに変わりはありません。級ごとに学ぶ内容の違いは 級の違いと選び方 を参照してください。
合格率の年度別推移 (2022〜2025年度・公式データ)
色彩検定協会が公表する事業報告書と検定データページから、過去4年分の級別合格率を並べると次のとおりです。
| 年度 | 3級 | 2級 | 1級 | UC級 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年度 | 76.93% | 77.42% | 39.64% | 85.84% |
| 2023年度 | 74.08% | 72.17% | 41.43% | 83.63% |
| 2024年度 | 74.73% | 69.12% | 41.79% | 78.72% |
| 2025年度 | 75.7% | 72.2% | 58.6% | 76.6% |
※2022〜2024年度は協会の事業報告書 (合格者数÷実受験者数、小数第2位まで公表)、2025年度は公式サイト「検定データ」ページの公表値 (小数第1位まで)。
この推移から読み取れるポイントは3つです。
- 3級は74〜77%で安定 — 「4人に3人が受かる入門級」という位置づけは、年度が変わっても揺らぎません。
- 2級は69〜77%とやや振れ幅がある — 2024年度には69.12%まで下がっています。「2級=7割受かる」と固定的に考えず、後述する合格点実績 (2025年度夏期は144点) に余裕をもって届く得点力を目標にするのが安全です。
- UC級は85.84%から76.6%へ低下傾向 — それでも7割台後半ですが、「UC級はほぼ受かる」という数年前のイメージのまま挑むと足をすくわれます。
なお、志願者の合計は2022年度56,553人→2025年度46,796人と減少傾向にあるものの、いまも年間約4.7万人が志願する規模の検定です。また、事業報告書ベースでは志願者の約8%が当日受験しておらず (2024年度は志願49,362人に対し実受験45,471人)、公表される合格率は実際に受験した人を分母に計算されています。
1級の「約40%→58.6%」をどう読むか
1級は2022〜2024年度まで40%前後で推移し、2025年度に58.6%へ大きく上昇しました。色彩検定は合格ラインを「140点前後」に置く基準点方式 (相対評価ではない) のため、問題の難易度や受験者層によって合格率が年度ごとに動きます。また1級には後述の 一次免除制度 があり、二次だけを受け直す受験者も母集団に含まれ得ます。
編集部としては、直近1年の58.6%だけを見て「1級が易しくなった」と読むのは危険だと考えます。4年間の幅 (約40〜59%) の中で変動している数字であり、対策の水準は従来どおり「一次140点+二次158点 (いずれも2025年度の合格点実績)」を取り切る前提で組むのが確実です。ちなみに1級の年間合格者は2022〜2024年度は3年連続で1,000人を下回っており (2022年度872人・2023年度935人・2024年度932人)、取得すれば十分に希少性のある級です。
合格基準は「200点満点の140点前後」— UC級だけ160点前後
公式の受検案内では、合格ラインと直近の合格点実績が次のように公表されています。
| 級 | 合格ライン (公式) | 2025年度の合格点実績 |
|---|---|---|
| 3級 | 200点満点の140点前後 | 140点 (夏期・冬期とも) |
| 2級 | 200点満点の140点前後 | 夏期144点・冬期140点 |
| 1級 | 200点満点の140点前後 | 一次140点・二次158点 |
| UC級 | 200点満点の160点前後 | 160点 (夏期・冬期とも) |
※いずれも「問題の難易度により多少変動有り」と付記されています。
押さえておきたいのは2点です。
- UC級だけ合格ラインが8割 (160点前後) と高い — 合格率76.6%という数字の裏で、要求される得点率は4つの級で最も高くなっています。「合格率が高い=要求水準が低い」ではありません。
- 「7割ぴったり」を狙わない — 2級の2025年度夏期のように、実績が144点と140点を上回る回もあります。模擬演習では 75%以上 を安定して取れる状態に仕上げておくと、当日のぶれや合格点の変動を吸収できます。
試験方式で見る難易度の構造
合格率の差は、試験方式の差でもあります。公式の検定内容から方式と試験時間を整理します。
| 級 | 方式 | 試験時間 |
|---|---|---|
| 3級 | マークシート | 60分 |
| 2級 | マークシート (一部記述式) | 70分 |
| 1級一次 | マークシート | 80分 |
| 1級二次 | 記述式 | 90分 |
| UC級 | マークシート (一部記述式) | 60分 |
級が上がるにつれて「マークのみ→一部記述→記述式の独立試験」と記述の比重が増えていく構造が、合格率の階段 (約76%→72%→最難関) とそのまま重なります。1級だけが 二次試験という独立した関門 を持ち、知識の再現ではなく応用が問われる点で他の級と質的に異なります。
3級・2級: 公式テキスト準拠だから対策が立てやすい
3級 (74〜77%) は 色の表し方・色の心理効果・光の基礎・配色 といった土台を学ぶ入門級、2級 (69〜77%) は 照明の実践的な理解・配色技法・ビジュアルデザイン・景観 など実務寄りの応用級です (協会「各級の目安」より)。
どちらも出題は公式テキストに準拠しているため、公式テキストで範囲を固め、問題演習で75%以上を安定させる のが王道です。ヤマを張る必要も、範囲外の知識を追いかける必要もありません。進め方は 勉強法、教材の選び方は おすすめテキスト にまとめています。
UC級: 合格率は7割台でも「160点」のラインに注意
UC級は 色覚の多様性や色のユニバーサルデザイン に特化した独立級で、2025年度の合格率は76.6%です。ただし前述のとおり、(1) 合格ラインが160点前後と他級より高い、(2) 合格率が85.84% (2022年度) から76.6% (2025年度) へ低下傾向にある、という2つの注意点があります。出題分野が特化しているぶん、公式テキストのUC分野を確実に押さえることが対策のほぼ全てと言ってよい級です。教育・医療福祉・デザイン/広報など、UC級がどんな人に向くかは 級の違いと選び方 を参照してください。
1級: 二次の記述が壁。一次免除制度も知っておく
1級の合格率は約40〜59%で推移する最難関です。難しさの中心は 二次の記述式試験 (90分) で、テキストの知識を前提に、配色や色彩設計を自分で組み立てる応用力が問われます。3級・2級の内容が前提になるため、段階的に積み上げてから挑戦するのが定石です。
あわせて知っておきたいのが公式の 1級一次試験免除システム です。一次に合格して二次で不合格 (または欠席) になった場合、その後2年間 (2回) に限り一次試験が免除 され、二次試験の結果のみで合否が決まります。ただし免除を使う場合も改めて受験申込が必要で、検定料15,000円は一次免除者も同額です。「一次は通ったのに二次で落ちた」としても、翌年は二次対策に集中して再挑戦できるということです。二次対策の進め方は 勉強法 の1級パートを参照してください。
受験の前提: 誰でも受けられるが、1級は年1回しかない
- 受験資格の制限なし — 年齢・学歴を問わず、何級からでも受験できます。級の併願も可能です。
- 実施回数 — 3級・2級・UC級は年2回 (2026年度は夏期6月28日・冬期11月8日)、1級は冬期のみ年1回 (一次11月8日・二次12月13日)。
- 検定料 (税込) — 3級7,000円・2級10,000円・1級15,000円・UC級6,000円。
1級は不合格になると次の機会が1年後になるため、「合格率58.6%」という数字以上に 受験機会の少なさが実質的な難易度を押し上げます。申込期間 (2026年度は夏期4月1日〜5月21日・冬期8月10日〜10月1日) を含む日程の詳細は 試験日程・受験料・申込方法 を参照してください。
まとめ: 数字はやさしめ、でも「140点 (UC級160点)」から逆算する
色彩検定は、3級・2級・UC級なら7割前後が合格するやさしめの検定です。ただし合格率の高さは「無対策で受かる」ことを意味しません。出題が公式テキスト準拠という性質を活かし、合格ライン140点 (UC級は160点) に対して75%以上の得点力 を作るのが、どの級にも共通する勝ち筋です。1級だけは二次の記述という別種の関門があるため、3級・2級で土台を固めてから挑みましょう。
検定の全体像は 色彩検定とは、カラーコーディネーター検定とどちらを受けるか迷っている人は 両検定の比較 もあわせてどうぞ。
出典
- 色彩検定協会 検定データ — 2025年度の級別志願者数・合格率 (3級75.7%・2級72.2%・1級58.6%・UC級76.6%、志願者合計46,796人) (2026-07-02確認)
- 色彩検定協会 受検案内 — 合格ライン (各級140点前後・UC級160点前後)・2025年度合格点実績・試験方式と時間・2026年度日程 (夏期6/28・冬期11/8・1級二次12/13)・検定料・受験資格・1級一次試験免除システム (2026-07-02確認)
- 色彩検定協会 各級の目安 — 各級の想定レベルと学ぶ内容 (2026-07-02確認)
- 色彩検定協会 よくあるご質問 — 「試験問題は公式テキストに準拠して出題されます」(2026-07-02確認)
- 色彩検定協会 令和6年度事業報告書 (PDF) — 2024年度の級別志願者・実受験者・合格者・合格率 (1級41.79%・2級69.12%・3級74.73%・UC級78.72%)
- 色彩検定協会 令和5年度事業報告書 (PDF) — 2023年度の級別合格率 (1級41.43%・2級72.17%・3級74.08%・UC級83.63%)
- 色彩検定協会 令和4年度事業報告書 (PDF) — 2022年度の級別合格率 (1級39.64%・2級77.42%・3級76.93%・UC級85.84%)




