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簿記3級 仕訳のコツ完全ガイド|45点取る借方/貸方判断 5 ステップと頻出パターン20

ぴよパス編集部10分で読めます
目次

この記事で分かること

  • 仕訳が簿記3級で最重要な理由と戦略的な位置づけ
  • 借方・貸方を間違えなくなる 5 ステップの判断法
  • 5 つの勘定科目のホームポジション早見表
  • 頻出仕訳パターン 20(現金預金・商品売買・債権債務・固定資産・決算整理)
  • 3 分法の仕訳フロー
  • 決算整理仕訳の頻出 5 パターン
  • ぴよパスの演習で 45 点を確実にする活用法

第1問・仕訳で 45 点を取ることが合格の最短ルート

日商簿記3級の試験は 100 点満点で 70 点以上が合格基準です。試験は大問 3 つで構成されており、配点は次のとおりです。

大問内容配点
第1問仕訳問題(個別取引 15 問)45点
第2問補助記入帳・勘定記入など20点
第3問精算表・財務諸表・残高試算表など35点

第1問の仕訳が全体の 45% を占めるという事実は、学習戦略に直結します。第1問を 40 点以上確保できれば、残りの 2 問で 30 点を取るだけで合格ラインの 70 点に到達します。

第3問の精算表や財務諸表は計算量が多く、一か所のミスが連鎖して複数の採点箇所に影響することもあります。一方で仕訳は 1 問ずつ独立しているため、1 問わからなくても他の問題には影響しません。リスク分散の観点からも、仕訳を最優先かつ最重点に鍛えることが合格への近道です。

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借方・貸方の判断 5 ステップ

仕訳の最大の難関は「借方(左)と貸方(右)をどう判断するか」です。感覚でなんとなく書いていると本番で迷いが生じます。次の 5 ステップを使うと、どんな取引でも系統立てて仕訳を組み立てられます。

ステップ 1:取引を「何が増えたか・減ったか」に分解する

まず取引を読んで、何がどう変化したかをリストアップします。

例:「商品を 50,000 円で仕入れ、現金で支払った」

  • 仕入(費用)が発生した
  • 現金(資産)が減った

ステップ 2:5 つの区分のどれに属するかを確認する

勘定科目は必ず次の 5 区分のどれかに属します。

区分主な勘定科目の例
資産現金・当座預金・売掛金・商品・備品・建物
負債買掛金・借入金・未払費用・前受収益
純資産資本金・繰越利益剰余金
収益売上・受取利息・受取手数料
費用仕入・給料・減価償却費・支払利息

ステップ 3:ホームポジション(通常残高側)を確認する

各区分には「増えたときに書く側(ホームポジション)」があります。

区分増加 →減少 →
資産借方(左)貸方(右)
負債貸方(右)借方(左)
純資産貸方(右)借方(左)
収益貸方(右)借方(左)
費用借方(左)貸方(右)

資産と費用は左(借方)がホーム、それ以外は右(貸方)がホーム」という覚え方が定着しやすいです。

ステップ 4:増減に応じてホームか反対側かを決める

ステップ 2 と 3 で確認した結果を使い、それぞれの科目をどちらに書くかを決めます。

先ほどの例に当てはめると:

  • 仕入(費用)が発生 → 費用のホームは借方 → 借方に仕入 50,000
  • 現金(資産)が減った → 資産の減少は貸方 → 貸方に現金 50,000

ステップ 5:借方合計と貸方合計が一致することを確認する

仕訳は必ず「借方の合計金額 = 貸方の合計金額」になります。金額が一致しない場合は仕訳の組み立て方に誤りがあります。最終確認として金額チェックを行う習慣をつけましょう。


5 つの勘定科目のホームポジション早見表

仕訳を速く正確に書くには、主要勘定科目のホームポジションを瞬時に思い出せるようにする必要があります。次の一覧を基礎として覚えてください。

資産(借方がホーム)

勘定科目増加時減少時
現金借方貸方
当座預金借方貸方
普通預金借方貸方
売掛金借方貸方
受取手形借方貸方
商品・繰越商品借方貸方
備品・建物・車両借方貸方
前払費用借方貸方
未収入金借方貸方

負債(貸方がホーム)

勘定科目増加時減少時
買掛金貸方借方
支払手形貸方借方
借入金貸方借方
未払費用貸方借方
前受収益貸方借方
貸倒引当金貸方借方

純資産(貸方がホーム)

勘定科目増加時減少時
資本金貸方借方
繰越利益剰余金貸方借方

収益(貸方がホーム)

勘定科目発生時
売上貸方
受取利息貸方
受取手数料貸方
固定資産売却益貸方

費用(借方がホーム)

勘定科目発生時
仕入借方
給料借方
支払利息借方
減価償却費借方
貸倒損失借方
固定資産売却損借方
水道光熱費・通信費・広告宣伝費借方

頻出仕訳パターン 20

第1問で繰り返し出題される仕訳パターンを分野ごとにまとめます。各パターンを反射的に書けるようになるまで繰り返し練習してください。

現金・預金(4 パターン)

パターン 1:現金を受け取った(売上代金の即日回収)

取引:商品 30,000 円を販売し、代金を現金で受け取った。

借方金額貸方金額
現金30,000売上30,000

パターン 2:当座預金へ入金

取引:売掛金 40,000 円が当座預金に振り込まれた。

借方金額貸方金額
当座預金40,000売掛金40,000

パターン 3:小口現金の補給

取引:小口現金 5,000 円を使用し、旅費交通費 3,000 円・消耗品費 2,000 円が判明した。小口現金を補給した。

借方金額貸方金額
旅費交通費3,000当座預金5,000
消耗品費2,000

パターン 4:当座借越の処理

取引:当座預金残高が 10,000 円のときに 15,000 円の小切手を振り出した(当座借越契約あり)。

借方金額貸方金額
(支出科目)15,000当座預金10,000
当座借越5,000

商品売買(4 パターン)

パターン 5:3 分法での仕入

取引:商品 60,000 円を仕入れ、掛けとした。

借方金額貸方金額
仕入60,000買掛金60,000

パターン 6:3 分法での売上(掛け)

取引:原価 30,000 円の商品を 50,000 円で掛け販売した。

借方金額貸方金額
売掛金50,000売上50,000

3 分法では売上時に仕入原価は仕訳に登場しない点が重要です。

パターン 7:仕入返品

取引:仕入れた商品のうち 8,000 円分を返品した。

借方金額貸方金額
買掛金8,000仕入8,000

パターン 8:売上値引き

取引:得意先から品質不良を理由に値引き 3,000 円を求められ、承諾した。

借方金額貸方金額
売上3,000売掛金3,000

債権・債務(4 パターン)

パターン 9:手形の受け取り

取引:売掛金 20,000 円について得意先より約束手形を受け取った。

借方金額貸方金額
受取手形20,000売掛金20,000

パターン 10:手形の振り出し

取引:買掛金 25,000 円を約束手形で支払った。

借方金額貸方金額
買掛金25,000支払手形25,000

パターン 11:借入金の受け取り(利息差引)

取引:銀行から 100,000 円を借り入れ、利息 2,000 円を差し引いた手取り 98,000 円が当座預金に入金された。

借方金額貸方金額
当座預金98,000借入金100,000
支払利息2,000

パターン 12:貸倒れの処理(貸倒引当金あり)

取引:売掛金 15,000 円が回収不能となった。貸倒引当金残高は 10,000 円。

借方金額貸方金額
貸倒引当金10,000売掛金15,000
貸倒損失5,000

固定資産(4 パターン)

パターン 13:固定資産の購入

取引:備品 120,000 円を購入し、代金を小切手で支払った。

借方金額貸方金額
備品120,000当座預金120,000

パターン 14:固定資産の売却(売却益あり)

取引:帳簿価額 50,000 円の備品を 65,000 円で売却し、代金は後日受け取ることとした。

借方金額貸方金額
未収入金65,000備品50,000
固定資産売却益15,000

パターン 15:固定資産の売却(売却損あり)

取引:帳簿価額 80,000 円の車両を 60,000 円で売却し、現金を受け取った。

借方金額貸方金額
現金60,000車両運搬具80,000
固定資産売却損20,000

パターン 16:減価償却費の計上(月割り)

取引:期首(4 月 1 日)に取得した備品(取得原価 240,000 円、耐用年数 8 年、残存価額ゼロ)について当期の減価償却費を計上する(決算日 3 月 31 日)。

年間減価償却費:240,000 ÷ 8 = 30,000 円

借方金額貸方金額
減価償却費30,000減価償却累計額30,000

決算整理(4 パターン)

パターン 17:貸倒引当金の繰入

取引:売掛金残高 200,000 円に対して 2% の貸倒引当金を設定する。現在の貸倒引当金残高は 1,500 円。

設定額:200,000 × 2% = 4,000 円 繰入額:4,000 − 1,500 = 2,500 円

借方金額貸方金額
貸倒引当金繰入2,500貸倒引当金2,500

パターン 18:前払費用の計上

取引:支払保険料の年額 36,000 円を 4 月 1 日に支払った。決算日 3 月 31 日に向けて期中(10 月 1 日)に決算整理を行う(6 ヶ月分が翌期分)。

前払分:36,000 ÷ 12 × 6 = 18,000 円

借方金額貸方金額
前払費用18,000保険料18,000

パターン 19:未払費用の計上

取引:従業員の給料 50,000 円は翌月払いであるため、当月分を未払いとして計上する。

借方金額貸方金額
給料50,000未払費用50,000

パターン 20:法人税等の計上

取引:当期の法人税・住民税・事業税として 45,000 円を計上した。

借方金額貸方金額
法人税、住民税及び事業税45,000未払法人税等45,000

3 分法と商品売買の仕訳を徹底理解する

簿記3級では商品売買の記録に 3 分法 を使います。3 分法とは、仕入・売上・繰越商品という 3 つの勘定科目を使って商品の流れを記録する方法です。

3 分法の基本フロー

タイミング仕訳のポイント
仕入時「仕入(費用)」の借方に計上する
販売時「売上(収益)」の貸方に計上する。原価の仕訳は不要
決算整理時期首商品を仕入に振り替え、期末商品を繰越商品に計上して売上原価を算定する

決算整理での売上原価の算定(「しい・くり・しい」)

決算整理仕訳で混乱しやすいのが売上原価の算定です。3 分法では期末に次の 2 つの仕訳を行います。

仕訳 1:期首商品(繰越商品)を仕入に振り替える

借方金額貸方金額
仕入期首商品金額繰越商品期首商品金額

仕訳 2:期末商品を繰越商品に計上する

借方金額貸方金額
繰越商品期末商品金額仕入期末商品金額

この 2 仕訳により、「仕入」勘定の残高が売上原価と一致します。

語呂合わせ「し(仕入)い(繰越商品)・く(繰越商品)り(仕入)・し(仕入)い(繰越商品)」を使って覚えると、科目と左右を間違えずに記憶できます。

ぴよパスの仕訳演習カテゴリで練習する →


決算整理仕訳の頻出 5 パターン

第3問の精算表・財務諸表でも仕訳の知識が直結します。決算整理仕訳の代表的な 5 パターンをまとめます。

パターン 1:減価償却

固定資産を耐用年数にわたって費用化する処理です。

計算式(定額法)

年間減価償却費 = (取得原価 − 残存価額) ÷ 耐用年数

期中取得の場合は月数按分。取得月から決算月までの月数 / 12 を乗じます。

仕訳:借方「減価償却費」/貸方「減価償却累計額」

減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)であり、固定資産の帳簿価額は「取得原価 − 減価償却累計額」で算出されます。

パターン 2:売上原価の算定

前述の 3 分法「しい・くり・しい」を使います。試験では棚卸商品の金額が問題文に与えられているので、それを使って 2 本の仕訳を正確に組み立てることが求められます。

パターン 3:貸倒引当金の繰入

売掛金・受取手形などの債権残高に対して将来の貸倒れリスクを見積もる処理です。

計算:期末債権残高 × 設定率 − 引当金残高 = 繰入額

仕訳:借方「貸倒引当金繰入」/貸方「貸倒引当金」

引当金残高が設定額を超えている場合は「貸倒引当金戻入(収益)」として戻し入れます。

パターン 4:経過勘定(前払費用・未払費用・前受収益・未収収益)

決算日をまたぐ費用・収益を適切な期間に帰属させる処理です。

勘定科目意味仕訳方向
前払費用翌期分の費用を今期に支払済み借方:前払費用 貸方:費用科目
未払費用今期分の費用がまだ未払い借方:費用科目 貸方:未払費用
前受収益翌期分の収益を今期に受取済み借方:収益科目 貸方:前受収益
未収収益今期分の収益がまだ未収借方:未収収益 貸方:収益科目

混乱したときは「今期の損益に計上すべき金額はいくらか」を基準に考えると整理しやすくなります。

パターン 5:法人税等の計上

当期の課税所得に対する法人税・住民税・事業税を未払計上します。

仕訳:借方「法人税、住民税及び事業税」/貸方「未払法人税等」

勘定科目名が長いため正確に書く練習をしておきましょう。


ぴよパスの仕訳演習で 45 点を確実にする方法

演習の進め方

  1. まず 001〜005 の無料問題で感覚をつかむ:ぴよパスの仕訳カテゴリには難易度別(初級・中級・上級)の問題が用意されています。初級から着手して判断フローを体に覚え込ませましょう。
  1. 1 日 10〜15 問を毎日繰り返す:反復が仕訳習得の鍵です。隙間時間にスマートフォンで取り組むことで、通勤・昼休みだけで必要な演習量を積み上げられます。
  1. 間違えた問題は必ず解説を確認する:どの区分に属するかを確認し、ホームポジションのルールに立ち返って「なぜそちらに書くか」を言語化します。
  1. 中級・上級問題に挑戦して実戦感覚を養う:頻出パターン 20 がすらすら書けるようになったら、組み合わせ取引や期中取得の減価償却など応用問題に進みます。
  1. 市販問題集と組み合わせて手書きの練習も追加する:ぴよパスは選択式の演習に特化しています。本番では解答用紙に勘定科目と金額を手書きするため、紙の練習問題も並行して実施することで完成度が上がります。

目安スケジュール

期間演習の焦点
1 週目5 ステップ判断法の習得 + 初級問題を繰り返す
2 週目頻出パターン 20 を全て書けるように仕上げる
3 週目中級問題で応用・組み合わせ取引に慣れる
4 週目以降上級問題 + 決算整理仕訳を重点演習

簿記3級トップページで全カテゴリを確認する →


まとめ

  • 第1問の仕訳は 45 点配分で合格の要。最初に最も力を入れる分野
  • 借方・貸方の判断は「取引の分解 → 区分の確認 → ホームポジション → 増減判定 → 金額一致確認」の 5 ステップで迷わない
  • 5 区分のホームポジション(資産・費用は借方、負債・純資産・収益は貸方)を体に刻む
  • 頻出パターン 20 を反射的に書けるようになるまで反復練習する
  • 3 分法の「しい・くり・しい」と決算整理仕訳 5 パターンは第3問にも直結する
  • ぴよパスの仕訳演習を隙間時間に活用し、市販問題集の紙演習で手書き精度も高める

仕訳の正確性とスピードが上がれば、第1問の 45 点は現実的な目標になります。

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この記事の執筆者

ぴよパス編集部

公的機関の公表データ・法令・試験実施団体の公式情報を根拠に記事を作成。問題は全てオリジナルで、12項目の品質ガードで正確性を担保しています。

編集部について詳しく →

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の結果を保証するものではありません。最新の試験情報は各試験の公式サイトでご確認ください。

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