簿記3級のネット試験(CBT)は、テストセンターのパソコンで受験する方式です。試験時間60分・商業簿記3題以内・70%以上で合格という基本条件は統一試験と共通ですが、受験料3,300円(税込)+事務手数料550円・申込から3日目以降の予約ルール・電卓と身分証の指定など、独自の準備項目があります。この記事では kentei.ne.jp(商工会議所) と CBT-Solutions の公式情報をもとに、受験前に押さえる前提と当日の動き方を整理します。
結論を先に:ネット試験で最初に決める4つの条件
| 項目 | ネット試験(CBT) | 統一試験(紙) |
|---|---|---|
| 受験料 | 3,300円(税込)+事務手数料550円 | 2,850円(税込) |
| 試験時間 | 60分 | 60分 |
| 出題構成 | 商業簿記 3題以内 (選択式+入力式) | 商業簿記 3題以内 |
| 合格基準 | 70%以上 | 70%以上 |
| 実施日 | 随時(会場ごと・年末年始と施行休止期間を除く) | 年3回(6月・11月・2月) |
| 結果 | スコアレポート即時配布、翌日以降にデジタル合格証 | 後日、受験商工会議所から通知 |
統一試験との実質的な差は 「いつでも受験できるが、予約に最低3日かかり、合計3,850円(税込)で少し高い」 という点です。学習スケジュールを自分で組みたい・年3回の試験日に合わせられない人向けの方式と捉えるとブレません。
ネット試験当日の流れと持ち物
CBT-Solutions の運営情報をもとに、当日の流れを整理すると次の4ステップになります。
- 試験開始時刻の30〜15分前にテストセンターへ到着
- 本人確認書類を提示し受付を済ませる
- テストマシンでIDとパスワードを入力し試験を開始
- 試験終了後にスコアレポートを受け取る(合格者は翌日以降マイページからデジタル合格証DL)
持ち物として公式に指定されているのは以下です。
- 本人確認書類: 氏名・生年月日・顔写真のいずれも確認できるもの(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)
- 筆記用具: HBまたはBの黒鉛筆・シャープペン・消しゴム
- 計算器具: そろばんまたは電卓のいずれか1つ
電卓は「計算機能(四則演算)のみ」が条件で、印刷機能・メロディー機能・プログラム機能・辞書機能が付いた機種は持込不可です。一方で日数計算・時間計算・換算・税計算・検算の機能が付いているものは持込可能とされています。普段の学習で使っている電卓がこの条件を満たすかは、試験前日までに必ず確認してください。
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60分・3題構成の時間配分
商工会議所は問題ごとの配点や問題数を公表していません。公式に示されているのは「商業簿記 3題以内・選択式と入力式の併用・60分」という枠だけです。
ただし、第158回以降の出題傾向としては次の構成が定着しています(あくまで過去傾向であり、必ずこの並びになる保証はありません)。
| 大問 | 主な出題範囲 | 推奨時間配分の目安 |
|---|---|---|
| 第1問 | 仕訳中心(現預金・売上・仕入・経費・固定資産など) | 10〜15分 |
| 第2問 | 補助簿・勘定記入・伝票・商品有高帳など | 10〜15分 |
| 第3問 | 精算表または財務諸表の総合問題 | 25〜30分 |
| 見直し | 仕訳と数値転記の再確認 | 5分 |
時間配分の基本方針は「仕訳で取りこぼさず、第3問の総合問題に時間を残す」です。第1問の仕訳に時間がかかると、第3問の精算表で集計と転記が間に合わなくなる失点パターンが多いため、難しい仕訳問題は飛ばして先に進む判断も覚えておくと安全です。
仕訳の演習量を増やしたい場合は、本サイトの簿記3級 仕訳のコツと頻出パターンで、よく出る仕訳パターンと暗記の手順をまとめています。
申込から受験までのフロー
CBT-Solutions の予約サイト(ijuken.com)を経由する場合の主な手順です。
- テストセンター空席照会で受験希望地の会場と空席日時を事前確認する
- 申込日から3日目以降の日付で予約する(2日前以降は予約不可)
- 受験可能期間は申込日から最長1年(余裕を持って予約しておける)
- 変更・キャンセルは受験日の3日前まで(2日前以降は不可・受験料は返金されない)
- 受験料3,300円+事務手数料550円をオンライン決済で支払う
編集部の見立て: 「申込3日前まで」というルールは見落としやすく、特に試験直前に予約しようとして「明後日は空いているのに取れない」ケースが起きやすい設計です。学習計画を立てる段階で、受験日候補を決めたら先に予約だけ取って受験料を確定させ、後から学習スケジュールを逆算する順序のほうがリスクが少なく済みます。
CBT 特有の対策ポイント
紙の統一試験と違い、ネット試験は画面上で問題を読み、勘定科目を選択式または入力式で答える方式です。学習段階で意識しておきたい点を整理します。
画面操作と入力方式に慣れる
- 第1問の仕訳は選択式が中心: 勘定科目をドロップダウンや候補から選び、金額を数字で入力する方式が主流
- 第2問・第3問は入力式が混在: 勘定記入や精算表は数値の直接入力が必要
- 紙への下書き: テストセンターで配布されるメモ用紙を使い、仕訳と集計を整理する手順は紙試験と同じ
電卓の打ちやすさを優先する
紙試験では問題冊子と電卓を机に並べられますが、ネット試験では画面・キーボード・マウス・電卓が同じ机上にあるため、電卓の置き場所と打ちやすさで集計時間が変わります。手の大きい人は12桁の少し大きめの電卓を、画面入力中心で打ちにくい場合は GT(グランドトータル)機能付きの中型電卓を、というように普段の練習から本番と同じ机配置で慣れておくと無理がありません。
時間切れリスクを下げる
紙試験では「あと10分」など試験官のアナウンスがありますが、ネット試験は画面右上のタイマー以外に時間の手がかりがありません。第1問→第2問→第3問の順で固定せず、第3問の精算表を早めに着手する戦略もネット試験では有効です。タイマーが残り20分を切ったときに第3問の集計が止まっていると、得点源を取り損ねる確率が上がります。
学習教材と組み合わせる
ネット試験対策は「仕訳の即答力」と「60分3題構成の時間感覚」を分けて鍛えるのが効率的です。
- 仕訳の即答力: 本サイトの簿記3級 仕訳のコツと頻出パターンでパターンを整理
- テキスト+問題集の選び方: 簿記3級 テキストおすすめでWeb模擬試験付き・CBT対応の教材を整理
- 独学全体の進め方: 簿記3級 独学合格ガイドで学習時間と教材組み合わせの全体像を整理
時間配分の感覚はテキストだけでは作れないため、Web模擬試験プログラム付きのテキストまたは直前期の予想問題集で60分を一度通しで解く経験を入れることが、ネット試験では特に重要になります。
まとめ
簿記3級のネット試験(CBT)は、統一試験と試験時間・出題構成・合格基準は共通ですが、受験料3,300円+事務手数料550円・申込3日前ルール・電卓と身分証の指定が独自の準備項目になります。受験日の決め方は「テストセンター空席→予約→受験料確定→学習計画の逆算」の順で進めるとブレが少なく、当日は30〜15分前到着とスコアレポートの受領、合格者は翌日以降マイページからデジタル合格証DLを忘れずに進めてください。
出典
- 商工会議所の検定試験 簿記3級 試験科目・注意事項
- 商工会議所の検定試験 日商簿記検定試験(2級・3級・簿記初級・原価計算初級)ネット試験について
- CBT-Solutions 日商簿記 受験者ポータル
- 商工会議所の検定試験 第158回簿記検定試験からの変更点について






