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簿記3級 勘定科目の覚え方|5グループ分類と紛らわしい科目の見分け方

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簿記3級 勘定科目の覚え方|5グループ分類と紛らわしい科目の見分け方
目次

結論: 勘定科目は「5グループ分類」と「ホームポジション」で覚える

簿記3級の勘定科目は、テキストに出てくる主要なものだけでおおむね70〜90個あります。これを1個ずつ丸暗記しようとすると挫折しやすく、第1問の仕訳でも増減の向きを毎回迷うことになります。

覚え方の軸は2つだけです。(1) すべての科目を5グループ (資産・負債・純資産・収益・費用) のどれかに仕分ける、(2) グループごとに決まっているホームポジション (定位置) が借方か貸方かを掴む。この2軸を押さえると、初めて見る科目でも「増えたら借方か貸方か」を仕組みで判断できます。

5グループ載る決算書ホームポジション増えたとき減ったとき
資産貸借対照表 (B/S)借方 (左)借方貸方
負債貸借対照表 (B/S)貸方 (右)貸方借方
純資産貸借対照表 (B/S)貸方 (右)貸方借方
費用損益計算書 (P/L)借方 (左)借方貸方
収益損益計算書 (P/L)貸方 (右)貸方借方

編集部の見立てでは、勘定科目でつまずく人の多くは「科目名と意味」を覚えることに時間を使いすぎて、「どのグループでホームポジションはどちらか」を即答する練習が足りていません。本記事は、5グループの一覧表 → 増減の向きの判断 → 紛らわしい科目の見分け方の順に整理し、第1問 (仕訳15問・45点) と第3問 (精算表/財務諸表・35点) の両方で得点につながる覚え方を示します。

簿記3級の試験概要や配点は、別記事の簿記3級とはを参照してください

なぜ丸暗記ではなく「分類」で覚えるのか

勘定科目を単語帳のように丸暗記しても、仕訳の場面で「これは借方?貸方?」と毎回考え込んでしまうと、第1問の15問を15分で解く時間配分が崩れます。

簿記の仕訳は、5グループそれぞれにホームポジションが決まっていて、「増えたらホームポジション側、減ったら反対側」という一つの原則で動いています。つまり、科目名そのものよりグループの判定が先で、グループさえ分かればホームポジションも増減の向きも自動的に決まります。

覚え方起きること
科目名と意味だけを丸暗記仕訳のたびに借方か貸方かで止まる、初見の科目に対応できない
5グループ + ホームポジションで覚える初見の科目でもグループを判定すれば向きが決まる、仕訳が速くなる

「現金 (=資産) が増えたから借方」「借入金 (=負債) が増えたから貸方」というように、グループを起点に考える癖をつけると、覚える負担が一気に軽くなります。借方/貸方そのものが曖昧な人は、先に仕訳の基礎を固める方が近道です。

仕訳と勘定科目の基礎を順番に固める流れは、別記事の初心者ロードマップを参照してください

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5グループ別 主要勘定科目一覧

ここからは、簿記3級で頻出の主要科目を5グループに分けて一覧にします。すべてを網羅するのではなく、第1問・第3問で繰り返し出る科目を中心にまとめました。

資産グループ (ホームポジション=借方)

資産は、会社の財産や「将来お金やサービスを受け取れる権利」を表すグループです。増えたら借方、減ったら貸方に書きます。

勘定科目ざっくりした意味
現金紙幣・硬貨や通貨代用証券 (他人振出小切手など)
当座預金小切手の決済に使う預金
普通預金いつでも出し入れできる預金
売掛金商品を売って後で受け取る権利
受取手形手形で後で受け取る権利
未収入金商品以外を売って後で受け取る権利
前払金商品・サービスの代金を先に渡した分
貸付金お金を貸して後で返してもらう権利
立替金他人が払うべき分を立て替えた分
仮払金使途が未確定のまま一時的に渡した分
繰越商品決算時に残っている商品の在庫
建物・備品・車両運搬具・土地有形固定資産

負債グループ (ホームポジション=貸方)

負債は、会社の「将来お金を支払う義務」を表すグループです。増えたら貸方、減ったら借方に書きます。資産と鏡のような関係になっている科目が多いのが特徴です。

勘定科目ざっくりした意味
買掛金商品を仕入れて後で支払う義務
支払手形手形で後で支払う義務
未払金商品以外を買って後で支払う義務
前受金商品・サービスの代金を先に受け取った分
借入金お金を借りて後で返す義務
預り金源泉所得税など一時的に預かった分
仮受金内容が未確定のまま一時的に受け取った分
未払法人税等確定した法人税等の未払分

純資産グループ (ホームポジション=貸方)

純資産は、資産から負債を差し引いた「正味の財産」を表すグループです。3級で扱う科目は少なめです。増えたら貸方、減ったら借方に書きます。

勘定科目ざっくりした意味
資本金株主が出資した元手
繰越利益剰余金過去から積み上がった利益の累計

収益グループ (ホームポジション=貸方)

収益は、会社が稼いだ成果を表すグループです。増えたら貸方、減ったら借方 (取消・修正時) に書きます。

勘定科目ざっくりした意味
売上商品を売って得た成果
受取手数料サービス提供などで得た手数料
受取利息貸付金や預金から得た利息
受取家賃・受取地代建物や土地を貸して得た賃料
償却債権取立益過年度に貸倒処理した債権を回収した分

費用グループ (ホームポジション=借方)

費用は、収益を得るために使った犠牲を表すグループです。増えたら借方、減ったら貸方 (取消・修正時) に書きます。3級では科目数が最も多いグループです。

勘定科目ざっくりした意味
仕入商品を仕入れるために払った分
給料従業員に払う賃金
支払家賃・支払地代建物や土地を借りて払う賃料
水道光熱費・通信費・旅費交通費各種の経費
消耗品費文房具など使い切る物品の費用
支払手数料・支払利息手数料や借入金の利息
貸倒引当金繰入貸倒れに備えて見積もった費用
貸倒損失当期に発生した債権の貸倒れ
減価償却費固定資産の価値の目減り分
法人税等確定した法人税・住民税・事業税

テキストでの勘定科目の学び方は、別記事のテキストおすすめを参照してください

「増えたら借方か貸方か」を3秒で判断する手順

科目をグループに仕分けたら、次は仕訳の向きを判断します。手順は3ステップです。

ステップやること例: 商品を掛けで売った (売掛金が増えた)
1その科目が5グループのどれかを判定する売掛金 → 資産
2グループのホームポジションを思い出す資産のホームポジションは借方
3増えたか減ったかで向きを決める増えた → ホームポジション側の借方

この3ステップを「資産・費用は借方が定位置」「負債・純資産・収益は貸方が定位置」というワンフレーズで支えると、初見の科目でも迷いません。

借方・貸方そのものの覚え方

借方が左・貸方が右という対応も、語呂で固定できます。「かりかた」の「り」の文字が左にはらうので左側、「かしかた」の「し」の文字が右にはらうので右側、と覚えると、左右で迷う時間がなくなります。

仕訳は必ず左右が一致する

仕訳は借方の合計と貸方の合計が一致します。たとえば「商品10,000円を掛けで仕入れた」なら、仕入 (費用・増加) を借方に、買掛金 (負債・増加) を貸方に置きます。

借方金額貸方金額
仕入10,000買掛金10,000

費用が増えたから借方、負債が増えたから貸方、と両側ともホームポジションに収まっているのが分かります。この感覚が身につくと、第3問の精算表で決算整理仕訳を組むときにも応用が効きます。

紛らわしい勘定科目の見分け方

簿記3級で得点を落としやすいのが、名前や意味が似ている科目の取り違えです。代表的なペアを並べて、何で区別するのかを言語化しておきます。

売掛金 vs 未収入金 (どちらも資産)

観点売掛金未収入金
何を売ったか商品 (本業で扱う品)商品以外 (備品・車両・土地など)
判断キーワード「商品」を「掛け」で売った「備品を売却」など本業以外の売却
グループ資産 (受け取る権利)資産 (受け取る権利)

ポイントは「売ったものが商品かどうか」です。本業の商品を掛けで売れば売掛金、それ以外の物 (使っていた備品や土地など) を売って代金が後日なら未収入金です。

買掛金 vs 未払金 (どちらも負債)

観点買掛金未払金
何を買ったか商品 (本業で扱う品)商品以外 (備品・消耗品など)
判断キーワード「商品」を「掛け」で仕入れた「備品を購入」など本業以外の購入
グループ負債 (支払う義務)負債 (支払う義務)

売掛金/未収入金の支払い側バージョンです。仕入れた相手が商品なら買掛金、商品以外なら未払金、と「対象が商品か」で切り分けます。

前払金 vs 前払費用 (どちらも資産)

観点前払金前払費用
いつ使うか取引のたび (代金を先に渡したとき)決算整理 (当期分と次期分を分けるとき)
対象商品・サービスの代金の前払い家賃・保険料など継続的サービスの前払い
性質通常の取引で登場経過勘定 (決算で登場)

前払金は「物やサービスを受け取る前にお金を渡した」ときの科目で取引中に出てきます。前払費用は決算整理で、すでに払った費用のうち次期分を当期の費用から除くための経過勘定です。前払費用は決算で出てくると紐づけると取り違えにくくなります。

仮払金 vs 立替金 (どちらも資産)

観点仮払金立替金
お金の性質使途が未確定の一時渡し他人が払うべき分の肩代わり
後でどうなる精算して正しい科目に振り替える相手から回収する
典型例出張費を概算で渡す従業員負担分を会社が立て替える

仮払金は「いくら何に使うか未確定」のまま渡したお金で、後で精算します。立替金は「本来は相手が払うべき分」を代わりに払ったお金で、後で回収します。未確定なら仮払金、肩代わりなら立替金と覚えると区別できます。

仮受金 vs 前受金 (どちらも負債)

観点仮受金前受金
お金の性質内容が未確定のまま受け取った商品・サービスの代金を先に受け取った
後でどうなる内容が判明したら正しい科目へ振替商品を引き渡したら売上などへ振替
典型例内容不明の入金があった注文時に手付金を受け取った

受け取り側の未確定バージョンが仮受金、商品を渡す前に代金を先取りしたのが前受金です。資産側の仮払金/前払金と鏡の関係になっています。

仕入・売上まわりの似た科目に注意

商品売買では、3分法 (仕入・売上・繰越商品の3科目で処理する方法) を使います。ここでも科目の役割を取り違えやすいので整理します。

勘定科目グループ役割
仕入費用商品を仕入れたときの費用
売上収益商品を売ったときの収益
繰越商品資産決算時に売れ残った在庫

仕入は費用 (借方が定位置)、売上は収益 (貸方が定位置)、繰越商品は資産 (借方が定位置) と、3つとも別グループです。決算整理では「仕入」と「繰越商品」を使って売上原価を計算するため、この3科目のグループを取り違えると第3問でつまずきます。グループ判定の練習がそのまま第3問対策になる典型例です。

第3問の決算整理や精算表の独学手順は、別記事の独学の進め方を参照してください

暗記に頼らず「仕組み」で定着させる練習法

勘定科目は眺めるだけでは定着しにくく、手と口を動かす練習が効きます。負担を抑えながら覚える進め方を示します。

練習法やり方効く場面
グループ即答ドリル科目名を見て「資産/負債/純資産/収益/費用」のどれかを即答する第1問の仕訳スピード
ホームポジション確認グループを答えたら「借方か貸方か」も続けて言う増減の向きの判断
仕訳の音読仕訳を「借方○○、貸方△△」と声に出して書く借方/貸方の体得
紛らわしいペアの言語化似た科目を表で並べ、違いを自分の言葉で説明する取り違えの防止
アプリで反復スキマ時間に仕訳問題を繰り返す反応速度の底上げ

最初は科目とグループの対応を確認しながらで構いません。繰り返すうちに「現金は資産で借方」「売上は収益で貸方」と反射的に出るようになり、第1問の仕訳が速くなります。スキマ時間の反復にはアプリが向いています。

スマホアプリでの仕訳反復のやり方は、別記事のアプリ活用を参照してください

勘定科目の覚え方 チェックリスト

仕訳に入る前に、以下が押さえられているか確認してください。

  1. 主要科目を資産・負債・純資産・収益・費用の5グループに仕分けられる
  2. 資産・費用は借方、負債・純資産・収益は貸方がホームポジションだと即答できる
  3. 「増えたらホームポジション側、減ったら反対側」の原則を全科目に当てはめられる
  4. 借方=左・貸方=右を語呂で迷わず思い出せる
  5. 売掛金と未収入金、買掛金と未払金を「商品か商品以外か」で区別できる
  6. 前払金と前払費用、仮払金と立替金の違いを自分の言葉で説明できる
  7. 仕入・売上・繰越商品がそれぞれ費用・収益・資産だと分かる

7項目すべてに自信を持って答えられるなら、第1問の仕訳と第3問の精算表で勘定科目に足を引っ張られる場面は減ります。覚え方の本質は「科目を1個ずつ暗記する」ことではなく、「グループとホームポジションという仕組みに乗せる」ことです。


出典:


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この記事の執筆者

ぴよパス編集部

ぴよパス編集部 / 資格試験コンテンツ編集

担当領域: 消防設備士、危険物取扱者、衛生管理者、ボイラー技士、冷凍機械責任者、 電気工事士、FP 技能検定、IT パスポート、宅地建物取引士、登録販売者 など 20 試験の問題作成・解説執筆を担当

公的機関の公表データ・法令の条文・試験実施団体の公式情報を一次資料として参照し、 記事の正確性を担保しています。問題はすべて編集部によるオリジナルで、12 項目の自動ガード (スキーマ検証、正答一意性、計算問題の再検算ほか) + 編集長による最終承認を経て公開しています。

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