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税理士の合格率・難易度|科目合格制と官報合格までの長期戦

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税理士の合格率・難易度|科目合格制と官報合格までの長期戦
目次

結論: 1科目の難しさより「5科目そろえきる長期戦」が本質

税理士の難易度を調べると、各科目の合格率が10〜20%台という数字が目に入ります。ただ、税理士試験の本当の難しさは、1回の試験の合格率だけでは表せません。会計2科目と税法3科目の計5科目を、数年かけてそろえきる継続力こそが核心です。

税理士は、税務代理・税務書類の作成・税務相談を独占業務とする国家資格です(税理士法)。その入口である税理士試験は、国税庁が所管し、科目合格制という独特の仕組みで運営されています。まずは制度の全体像から押さえていきます。

なお、この記事の数値は国税庁の公表資料に基づく一般的な傾向です。合格率・受験手数料・受験資格は年度で変わるため、受験を具体的に検討する際は必ず国税庁の最新の受験案内で確認してください。

税理士試験の科目構成: 会計2科目+税法3科目

税理士試験は、次の5科目すべてに合格して初めて最終合格となります。

区分科目選択の扱い
会計学簿記論必須(全員受験)
会計学財務諸表論必須(全員受験)
税法所得税法 / 法人税法いずれか1科目は必須選択
税法相続税法・消費税法・国税徴収法 ほか選択
税法(上記から合計3科目を選択)選択

会計学の2科目は固定です。税法は、所得税法か法人税法のどちらか1科目を必ず含めたうえで、残りを選択科目から選び、税法で計3科目をそろえます。会計2+税法3で、合計5科目という構成です。

簿記論は、日商簿記で学ぶ仕訳・決算・帳簿の知識と地続きの科目です。簿記を学んだ人にとっては、税理士の入口でいちばん取りつきやすい科目になります。

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科目合格制: 一度合格した科目は生涯有効

税理士試験の最大の特徴が科目合格制です。一度合格した科目は、生涯にわたって有効になります。

制度の論点内容
受験の単位1科目ずつ受験できる(5科目同時受験は不要)
合格の有効期間一度合格した科目は生涯有効
最終合格の条件5科目すべてに合格した時点
想定される進め方1年に1〜2科目ずつ積み上げる

多くの受験者は、働きながら1年に1〜2科目ずつ合格を重ねていきます。たとえば1年目に簿記論と財務諸表論、2年目に税法1科目、というように、数年がかりで5科目をそろえていく形です。

この仕組みがあるからこそ、税理士試験は社会人が長く挑戦し続けられます。一方で、1科目ずつしか進まないため、5科目そろうまでに数年単位の時間がかかる点が、難易度を語るうえで外せない要素になります。

合格率の読み方: 各科目10〜20%台という数字

国税庁が公表する科目別の合格率は、例年おおむね10〜20%台で推移します。参考として、令和5年度(第73回)の主な科目を整理します。

科目区分第73回の合格率(目安)
簿記論会計17.4%
財務諸表論会計28.1%
法人税法税法10%台
所得税法税法10%台
消費税法税法10%台

会計科目はその年の出題によって数字が動き、財務諸表論のように20%台後半になる回もあります。税法科目は例年10%台が中心で、会計科目より低めに出る傾向です。

ここで注意したいのが、合格率の数字の意味です。税理士試験の合格基準は各科目とも満点の60%と定められていますが、実際には競争試験の性格が強い試験です。年度の数字は最新の公表資料で必ず確認してください。

合格基準と「競争試験」の性格

合格基準は明文化されています。一方で、合格率が毎年10〜20%台に収まる背景には、出題と採点の運用があります。

観点内容
明文の合格基準各科目とも満点の60%
実際の運用上位者から一定割合が合格する競争試験の性格
合格率の傾向各科目おおむね10〜20%台
受験者層会計・税務の学習を積んだ人が中心

「60%取れば受かる」という基準だけを見ると到達できそうに感じますが、受験者層は会計・税務をしっかり学んだ人が中心で、母集団のレベルが高いのが実情です。基準点と実際の合格ラインの感覚にはずれがある、と理解しておくのが安全です。

合格率の数字に一喜一憂するより、5科目を数年かけて完走できる学習計画を組めるかどうかが、合否を分けます。

2023年の受験資格緩和で会計科目が挑戦しやすくなった

税理士試験は、2023年(令和5年度・第73回)から受験資格の扱いが変わりました。

区分2023年以降の受験資格
会計科目(簿記論・財務諸表論)受験資格の制限なし(どなたでも受験可能)
税法科目学識・資格・職歴などの受験資格要件あり

それまでは会計科目にも受験資格が必要でしたが、緩和によって会計2科目は誰でも受験できるようになりました。これは、簿記を学んだ人が税理士の入口に踏み出しやすくなった大きな変化です。

税法科目には引き続き受験資格の要件があるため、会計科目で足場を固めながら、税法の受験資格を満たす準備を並行して進める流れが現実的です。具体的な要件は国税庁の受験案内で確認してください。

受験手数料は科目数で決まる

受験手数料は、申し込む科目数によって変わります。

受験科目数受験手数料(目安)
1科目4,000円
2科目5,500円
3科目7,000円
4科目8,500円
5科目10,000円

1科目4,000円を基準に、1科目増えるごとに1,500円ずつ加算される仕組みです。科目合格制で1〜2科目ずつ受験する場合は、その年に申し込む科目数に応じた手数料を毎年支払うことになります。

金額は変更される場合があるため、申込時には国税庁の受験案内で最新の手数料を確認してください。

簿記からのステップアップ: 会計科目という入口

税理士を会計キャリアの上位資格としてとらえると、簿記が土台として効いてきます。会計科目の簿記論・財務諸表論は、日商簿記の学習内容と地続きだからです。

学習段階身につくこと税理士へのつながり
簿記3級仕訳・決算の基礎概念簿記論・財務諸表論の前提知識
簿記2級商業簿記・工業簿記の応用会計科目に進む足場
税理士 会計科目簿記論・財務諸表論5科目のうち最初の2科目
税理士 税法科目所得税法・法人税法 ほか残り3科目で官報合格へ

会計の基礎がない状態でいきなり簿記論に挑むより、簿記3級・2級で仕訳と決算、財務諸表の組み立てに慣れておくほうが、会計科目の学習がスムーズです。受験資格も不要になったため、簿記の延長として最初の1科目に踏み出しやすくなっています。

簿記の全体像から確認したい場合は、別記事の簿記3級とは簿記2級とはを土台づくりの参考にしてください。

学習の進め方: 5科目を年単位で組み立てる

科目合格制を生かすには、複数年を見据えた計画づくりが要になります。つまずきやすいポイントを踏まえて、進め方を整理します。

会計科目から着手する

受験資格が不要で、簿記の知識が生きる簿記論・財務諸表論から始めるのが入りやすい順序です。会計2科目を早めに確保できると、その後の税法科目に集中しやすくなります。

税法の必須・選択を早めに決める

所得税法か法人税法のいずれか必須の1科目を軸に、残りの選択科目を学習量や実務の方向性から決めます。税法は1科目あたりの学習量が大きいため、どの科目をどの年に受けるかを早い段階で見通しておくと、計画が崩れにくくなります。

年単位で積み上げ、完走を最優先にする

1年に1〜2科目ずつ合格を狙い、合格した科目は生涯有効になる利点を生かします。数年にわたる挑戦になるため、1回の合格率を気にしすぎるより、最後まで走り切れる無理のないペースを保つことが、官報合格への近道になります。

まとめと次の一歩

税理士試験は、会計2科目と税法3科目の計5科目を、科目合格制のもとで数年かけてそろえる試験です。各科目の合格率は例年10〜20%台で、合格基準は満点の60%ですが、実質は競争試験の性格を持ちます。難易度の本質は、1科目の難しさよりも、5科目をそろえきる継続力にあります。

2023年から会計科目の受験資格が不要になり、簿記を学んだ人が入口に立ちやすくなりました。簿記論は簿記の学習がそのまま生きる科目です。

次の一歩として、まずは国税庁の税理士試験のページで、科目構成・科目合格制・合格基準・受験資格・最新の科目別合格率という一次情報を確認してください。そのうえで、会計の土台に不安があれば簿記3級・2級で仕訳と決算に慣れ、会計科目の最初の1科目に向けた準備から始めるのが現実的です。


出典:


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この記事の執筆者

ぴよパス編集部

ぴよパス編集部 / 資格試験コンテンツ編集

担当領域: 消防設備士、危険物取扱者、衛生管理者、ボイラー技士、冷凍機械責任者、 電気工事士、FP 技能検定、IT パスポート、宅地建物取引士、登録販売者 など 20 試験の問題作成・解説執筆を担当

公的機関の公表データ・法令の条文・試験実施団体の公式情報を一次資料として参照し、 記事の正確性を担保しています。問題はすべて編集部によるオリジナルで、12 項目の自動ガード (スキーマ検証、正答一意性、計算問題の再検算ほか) + 編集長による最終承認を経て公開しています。

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の結果を保証するものではありません。 試験の最新情報 (日程・受験料・合格基準等) は各試験実施団体の公式サイトで必ずご確認ください。 記事中に誤りを発見された場合は お問い合わせフォーム よりご指摘ください。

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