簿記2級の直前期は、まず手元の問題を解き、「知識がない」「手順が止まる」「計算・入力を間違える」「時間が足りない」のどれで失点したかを分けましょう。同じ不正解でも、次に読むページや練習方法が変わります。
この記事には、復習する場所を選ぶ12項目のチェック表と、残り1週間・2週間の計画例を用意しました。すでに全範囲を一度学んだ人向けです。未学習の単元がある場合は「直前だから触らない」と決めず、まず基本問題で取り組める範囲を確かめます。
簿記2級の直前チェックシートを開く(無料PDF・A4/2ページ)
1ページ目に論点別の状態と再確認日、2ページ目に7日間の予定とミスの直し方を書けます。登録不要で、そのまま印刷できます。公式問題の転載ではなく、ぴよパス編集部が作った復習用の記入シートです。
最初に、失点の原因を4つに分ける
解答を読んで「分かった」で終えず、間違えた問題の横に原因を一つ書きます。複数ある場合は、最初に手が止まった原因から直しましょう。
| 今の状態 | 次にやること | 解き直しで確かめること |
|---|---|---|
| 科目・用語の意味が分からない | 該当するテキストの基本例へ戻る | 科目を選んだ理由を説明できるか |
| 意味は分かるが、計算の順番が出ない | 解説の手順を短く書き、閉じて再現する | 資料から最初に拾う数字が分かるか |
| 手順は合うが、転記・計算・入力で落とす | 間違えた一行を特定して解き直す | 円・個・率、桁、借貸を最後に照合したか |
| 個別には解けるが、通し演習で終わらない | 90分を計り、着手・保留・見直しを練習する | 一問に止まった時間と未着手を減らせたか |
例えば「CVP分析を間違えた」だけでは復習先が広すぎます。「販売量を聞かれたのに、売上高を答えた」まで書けば、次は答えの単位に印を付けるという行動に変えられます。
簿記2級の直前チェック表:12項目から復習先を選ぶ
下表は公式出題区分表の2級の範囲を参考に、復習の入口を12項目にまとめたものです。全出題範囲を網羅する表や、出題頻度順のランキングではありません。 解いた教材の問題番号も一緒に残すと、翌日に戻りやすくなります。
状態は「A=資料を見ずに解けた」「B=途中で解説を見た」「C=着手できなかった」で記入します。Aの個数から得点や合否は予測しません。
| 復習する項目 | 手元の問題で確認する動作 |
|---|---|
| 1 商業簿記の仕訳 | 取引の内容と、借方・貸方の科目を説明する |
| 2 商品の期末評価 | 帳簿数量と実地数量、原価と正味売却価額を拾う |
| 3 固定資産 | 取得日・売却日・償却方法・月割の指示を拾う |
| 4 有価証券・外貨建取引 | 保有目的、取引日・決算日など設問の条件を確認する |
| 5 決算整理と財務諸表 | 整理前の数字に、どの仕訳を反映したか追う |
| 6 連結会計 | 資本連結と内部取引の消去を分け、修正を表へ反映する |
| 7 材料費・労務費・経費 | どの費目か、直接費か間接費かを区別する |
| 8 製造間接費・部門別計算 | 配賦基準、予定配賦と実際額の条件を読む |
| 9 個別原価計算 | 製造指図書ごとに原価を集め、完成か未完成か確認する |
| 10 総合原価計算 | 材料投入時点、加工進捗度、計算方法の指定を拾う |
| 11 標準原価計算 | 標準と実際の数量・時間・単価を区別して差異を求める |
| 12 CVP分析・直接原価計算 | 固定費と変動費を分け、売上高と販売量を区別する |
出典は日本商工会議所の出題区分表の案内、商業簿記・会計学の区分表、工業簿記・原価計算の区分表です。2026年度は2022年度版の出題区分表を使用すると案内されています。公表済みの2027年度版と、今受ける試験の範囲を混ぜないようにしてください。
残り1週間:解く日と直す日を組み合わせる
以下は編集部の計画例です。毎日90分の模試を義務にせず、解き直す時間も確保します。1日目の演習で、何を優先するかを決めてください。
| 日 | 取り組む内容 | その日の終わりに残すもの |
|---|---|---|
| 1日目 | 本番形式の教材を90分で解き、12項目を確認 | 失点の原因と、優先して直す3項目 |
| 2日目 | 商業簿記の優先項目を基本例から解き直す | 科目や処理を間違えた理由 |
| 3日目 | 工業簿記の優先項目を解き直す | 数量・進捗度・配賦基準などの読み落とし |
| 4日目 | 連結・決算など、まだ手が止まる項目を練習 | 解説を閉じて再現できる手順 |
| 5日目 | 別の本番形式の問題で90分演習 | 時間切れ、未着手、入力ミスの記録 |
| 6日目 | 5日目の間違いを直し、日を空けた問題を再確認 | 翌日に見る短いメモ |
| 7日目・前日 | メモと基本問題を確認し、持ち物・会場を準備 | 当日の出発時刻と確認済みの持ち物 |
連結が未学習なら、基本的な資本連結の例から始め、解ける範囲を見ます。「連結はこの仕訳だけで十分」「工業簿記なら必ず点が取れる」とは決めつけず、実際に解けた問題を判断材料にしましょう。
残り2週間・1日30分の場合の調整方法
2週間ある場合は、前半を基本手順の修復、後半を時間内に使う練習に分けます。最初の週にB・Cの項目を直し、次の週に上の7日間の例を使います。前半から一度は時間を計り、理解の不足なのか時間配分なのかを見ておきましょう。
30分しか取れない日は、次のように小さく区切れます。
- 最初の5分:前日に間違えた問題の条件を読み、手順を思い出す。
- 次の15分:同じ論点の問題を一つ解き、計算過程を残す。
- 最後の10分:解説と照合し、次に変える行動を一行書く。
これは30分の日の練習例です。90分の演習を省略してよいという意味ではなく、まとまった時間が取れる日に別途行います。未学習の範囲が広い場合は、1〜2週間で仕上がると考えず、残り時間と受験予定も見直します。
CVP分析で「円」と「個」を取り違えない練習
CVP分析の基本では、固定費と変動費率・単価などの条件を一定として、営業利益がゼロになる点を求めます。売上高を求めるのか、販売量を求めるのかを、計算前と解答後の両方で確認しましょう。
どちらもぴよパスのオリジナル問題です。4択は論点の確認に使い、本番の記入・入力形式の練習には日本商工会議所の2級サンプル問題や手持ちの本番形式教材を使ってください。
解いた後は、選んだ数字をもとの条件へ戻し、売上高から変動費と固定費を差し引いて利益がゼロになるか検算します。公式を思い出せても単位を取り違える人は、この確認までを一組にします。
前日チェック:CBTと統一試験の持ち物を分ける
日商簿記2級は商業簿記と工業簿記(原価計算を含む)を出題し、5題以内・90分・70%以上で合格という基準です。ネット試験も出題範囲・難易度・合格基準は統一試験と同じですが、答案の扱いは異なります。公式の試験内容とネット試験Q&Aで確認できます。
| 確認するもの | ネット試験(CBT) | 統一試験 |
|---|---|---|
| 日時・会場 | 申込完了メールやマイページを確認。受験票の発行はなし | 受験票と申込先の案内を確認 |
| 本人確認 | 氏名・生年月日・顔写真を確認できる身分証明書 | 氏名・生年月日・顔写真を確認できる身分証明書 |
| 筆記具・メモ | 自分の筆記具は使えない。会場のボールペンとA4メモ用紙2枚を使用し、終了後に返却 | HB・Bの黒鉛筆またはシャープペンと消しゴム。問題・答案・計算用紙などは返却 |
| 計算用具 | 使用条件を満たす電卓を持参。パソコンの電卓やそろばんは使えない | 使用条件を満たす電卓またはそろばん |
| 解答操作 | 科目の選択や金額等の入力を練習。試験終了ボタンは確認を終えてから | 枠内への記入と問題番号・転記先を確認 |
電卓は印刷・音の出る機能、プログラム機能、文字入力を含む辞書機能などに制限があります。手持ちの機種を公式案内と照合してください。
CBTは希望日時・会場を変更できる期限にも注意が必要です。公式Q&Aでは試験日の3日前まで変更でき、2日前からは変更・キャンセル不可と案内されています。前日に準備不足を感じても、その時点で自由に延期できるわけではありません。
基本例へ戻るためのテキスト
手元に使い慣れた教材があれば、チェック表でB・Cになった項目のページへ戻りましょう。直前だから新しい一式を買い直す必要はありません。基本説明を参照する教材がない場合は、商業簿記と工業簿記を分けて選びます。
上記はAmazonアソシエイトのリンクです。価格・在庫・商品情報は購入先で確認してください。
まずは直前チェックシートに、今日直す項目を一つ書いて始めましょう。まとまった時間が取れる日は本番形式で確認し、短い日はその一つを解き直す形で続けられます。










