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二級ボイラー技士の関係法令対策【ボイラー則の重要条文まとめ】

ぴよパス編集部11分で読めます
目次

本記事のポイント

  • 関係法令は4科目のうち「最も暗記効率がよい」科目。条文の数値を正確に押さえるだけで得点が安定する
  • 出題の柱は「ボイラーの定義と区分」「検査の種類と順序」「ボイラー室の設置基準」「取扱作業主任者の選任区分」の4テーマ
  • 二級ボイラー技士が取扱作業主任者になれる範囲は「伝熱面積25m²未満(貫流ボイラーは250m²未満)」が最重要論点で毎年必ず出題される
  • 安全弁(第28条)・水面測定装置(第30条)は数値の例外規定ごと押さえると確実に得点できる
  • ぴよパスの関係法令カテゴリで条文ベースのオリジナル予想問題を繰り返し解くことが合格への最短ルート

関係法令の全体像

関係法令科目で出題される法令は3本立てで構成されている。

法令名内容の軸
労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)免許の種類・欠格事由・就業制限・作業主任者選任の根拠
ボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年労働省令第33号)ボイラーの定義・検査・ボイラー室・安全装置の具体的基準
労働安全衛生規則作業主任者の周知義務など一般的な安全管理規定

試験で最も出題頻度が高いのはボイラー及び圧力容器安全規則(以下「ボイラー則」)だ。第1条から第38条あたりまでの条文群が関係法令10問のほぼすべての根拠になる。

学習の基本方針は「条文の数値と役割分担(誰が何をするか)を正確に覚える」ことに尽きる。ストーリーとして理解しようとするよりも、表と数値を使って視覚的に整理する方が短期間で得点に結びつく。

まず全体像を把握したい場合は、二級ボイラー技士の試験トップから科目ごとの構成を確認するとよい。


ボイラーの定義と区分(第1条)

ボイラー則の適用を受けるボイラーの範囲は第1条が規定している。試験では「この規模なら何に該当するか」を選ばせる問題が繰り返し出題される。

蒸気ボイラーの区分

区分条件
ボイラー則のボイラー(特定機械等)最高使用圧力0.1MPa以上 かつ 伝熱面積0.5m²超
小型ボイラー最高使用圧力0.1MPa以下 かつ 伝熱面積1m²以下
簡易ボイラー上記のいずれよりも小規模なもの(ボイラー則の適用が最小限)

特定機械等に該当するボイラーが検査・届出などの義務の対象になる。小型ボイラーはボイラー則の適用を一部受けるが、特定機械等には含まれない。

温水ボイラーの区分

温水ボイラーについては「ゲージ圧力0.1MPa以上 かつ 容量45kWを超えるもの」がボイラー則のボイラーに該当する。「温水ボイラーは圧力にかかわらずすべてが対象」という誤りの選択肢が頻出なので注意する。

伝熱面積の算定方法

伝熱面積は「火気・燃焼ガスその他の高温ガス(火気等)に触れる側の本体の面積」で算定する。火気等に触れない面積は含まれない。貫流ボイラーも同じ原則で算定される。


検査の種類と順序

ボイラーは製造から廃止まで複数の検査を順番に受けなければならない。この流れと各検査の担当主体が頻出だ。

検査の全体フロー

製造許可(厚生労働大臣)
    ↓
溶接検査(都道府県労働局長または登録検査機関)
    ↓
構造検査(都道府県労働局長または登録検査機関)
    ↓
設置届(所轄労働基準監督署長へ 工事開始30日前まで)
    ↓
落成検査(所轄労働基準監督署長または登録検査機関)→ ボイラー検査証交付
    ↓
使用開始
    ↓
性能検査(登録性能検査機関・1年ごと)→ ボイラー検査証の有効期間を更新
    ↓
変更工事 → 変更届 → 変更検査(所轄労働基準監督署長)
    ↓
廃止 → ボイラー検査証を所轄労働基準監督署長に返還

各検査の担当主体まとめ

検査の種類担当主体根拠条文
製造許可厚生労働大臣第3条
溶接検査都道府県労働局長または登録検査機関第7条
構造検査都道府県労働局長または登録検査機関第6条
設置届所轄労働基準監督署長(届出先)第10条
落成検査所轄労働基準監督署長または登録検査機関第14条
性能検査登録性能検査機関第38条
変更検査所轄労働基準監督署長第22条・第23条

ポイントを3つ押さえる

  1. 溶接検査は構造検査の前:溶接が完了した段階で受けるのが溶接検査。構造検査の後ではない。
  2. ボイラー検査証の交付は落成検査後:溶接検査・構造検査に合格しても検査証はもらえない。落成検査に合格して初めて交付される。
  3. 性能検査の有効期間は原則1年:登録性能検査機関(日本ボイラ協会等)が実施する。「2年ごと」「3年ごと」という誤りの選択肢が頻出。2年以上に延長される例外もあるが、原則は1年と押さえておけば失点しない。

ボイラー室の設置基準(第27条)

ボイラー室に関する数値基準は毎年複数問出題される。頻出の数値を表にまとめる。

数値基準一覧

項目規定値注意点
出入口の数2か所以上「1か所でよい」は誤り
出入口の扉の開き方向外開き(外側に向かって開く)緊急避難のための規定
ボイラー最上部から天井までの距離0.6m以上安全弁等の附属品は除く
ボイラー取扱い側の壁までの距離1.2m以上「0.45m以上」という誤りが頻出
ボイラー相互間の距離1.2m以上「0.6m以上」という誤りが頻出
据付け基礎の材質不燃材料(コンクリート等)木製基礎は不可
採光・換気窓その他の開口部を設けること換気設備の設置が義務
消火器具ボイラー室に設置種類・数の具体的な規定も確認

間違えやすい2点

天井距離と壁距離を混同しない。「天井まで0.6m以上」「取扱い側の壁まで1.2m以上」はセットで覚える。

出入口の開き方向。外開きという規定は「緊急時に室内に閉じ込められないため」という理由と結びつけると記憶に残りやすい。


ボイラー取扱作業主任者の選任区分(第24条)

この論点は二級ボイラー技士試験で最も繰り返し出題される項目の一つだ。数値を正確に覚えないと確実に失点する。

選任区分の全体像

ボイラーの伝熱面積の合計必要な資格
25m²未満(貫流ボイラーを除く)二級ボイラー技士以上
25m²以上500m²未満(貫流ボイラーを除く)一級ボイラー技士以上
500m²以上特級ボイラー技士のみ
貫流ボイラーのみ 250m²未満二級ボイラー技士以上
貫流ボイラーのみ 250m²以上500m²未満一級ボイラー技士以上
貫流ボイラーのみ 500m²以上特級ボイラー技士のみ

最重要ポイント

二級ボイラー技士が主任者になれる範囲

  • 通常のボイラー(貫流ボイラー以外):伝熱面積の合計が 25m²未満
  • 貫流ボイラー:伝熱面積の合計が 250m²未満

この2つの数値が試験に毎年出る。「50m²未満」「500m²未満」といった誤りの選択肢が設定されているため、正確な数字を体に染み込ませておく必要がある。

貫流ボイラーの閾値が10倍(25→250)である理由は、貫流ボイラーが構造上圧力容積が小さく危険性が低いという特性によるものだ。

作業主任者の選任と届出

ボイラー取扱作業主任者を選任した際、所轄労働基準監督署長への届出は不要(労働安全衛生法第14条)。ただし、作業場の見やすい場所に氏名等を掲示して関係労働者に周知する義務はある(労働安全衛生規則第18条)。「選任後○日以内に届け出る」という選択肢はすべて誤りと判断してよい。

ぴよパスの関係法令カテゴリには選任区分に関するオリジナル予想問題が多数収録されている。数値の組み合わせを変えた問題で繰り返し確認することが重要だ。


作業主任者の職務(第25条)

ボイラー取扱作業主任者の職務として第25条に規定されている内容は以下の4点だ。「規定にない職務はどれか」という形式で問われることが多い。

  1. ボイラーの取扱いに関する作業を直接指揮すること
  2. ボイラー及びその附属設備の異常の有無を点検すること
  3. ボイラーに係る作業の安全について必要な事項を関係労働者に周知させること
  4. 異常を認めたときは直ちに必要な措置を講ずること

規定されていない職務の代表例として「ボイラーの構造改善の設計図書を作成すること」が誤りの選択肢として登場する。「清掃・修繕を自ら行う」も誤り。設計や施工は作業主任者の職務の範囲外だと押さえておく。


ボイラー技士免許の種類と欠格事由(労安法第72条)

免許の種類と取扱範囲

ボイラー技士免許は3種類存在する。

免許の種類取扱作業主任者になれる範囲
特級ボイラー技士規模制限なし(すべてのボイラー)
一級ボイラー技士伝熱面積500m²未満
二級ボイラー技士伝熱面積25m²未満(貫流250m²未満)

「三級」「初級・中級・上級」といった区分は存在しない。また、上位の免許は下位の範囲も包含する(特級は一級・二級の範囲もカバー)。

免許の欠格事由

労働安全衛生法第72条により、心身の障害によりボイラー技士の業務を適正に行えない者には免許を与えないことができると規定されている。

免許申請の流れ

試験合格 → 申請書類の準備(合格通知書 + 実務経験証明書またはボイラー実技講習修了証明書)→ 都道府県労働局長へ申請 → 免許証交付

重要なのは「試験合格だけでは免許は交付されない」点だ。実務経験がない場合はボイラー実技講習(20時間)の修了証明書が必要になる。実技講習の詳細は二級ボイラー技士の独学合格法でも解説している。


安全装置の法定基準

安全弁(第28条・第29条)

安全弁に関して条文が規定する要点を整理する。

項目規定内容
設置個数(原則)1個以上
設置個数(伝熱面積50m²超の蒸気ボイラー)2個以上
作動圧力最高使用圧力以下で作動するよう調整
過熱器への設置過熱器の出口付近に設けること
外力による作動妨害禁止
バルブによる閉止禁止

「最低使用圧力以下」「最高使用圧力以上」は誤り。正しくは最高使用圧力以下で作動するよう調整する。安全弁に外力を加えてその作動を妨げることも禁止されている。

伝熱面積が50m²を超える蒸気ボイラーには安全弁を2個以上設ける必要がある。この閾値(50m²)は「取扱作業主任者の閾値(25m²)」と混同しやすいため、セットで整理しておく。

水面測定装置(第30条)

項目規定内容
設置個数(原則)ガラス水面計2個以上
例外小規模ボイラー等は1個+代替の水面測定装置の組み合わせも可
高圧ボイラー(1MPa超)の水面計丸形ガラスは不可。平形反射式または平形透視式を使用
機能試験毎日(各直ごと)実施

「ガラス水面計は3個以上」「月1回の機能試験でよい」はいずれも誤りの選択肢として頻出だ。


よく混同される論点

小型ボイラーと簡易ボイラーの区分

両者は「特定機械等(ボイラー則のボイラー)には該当しない小規模なボイラー」という共通点があるが別物だ。小型ボイラー(0.1MPa以下 かつ 1m²以下の蒸気ボイラー等)の方が規模が大きく、簡易ボイラーはさらに小さい規模のものを指す。混同した選択肢は試験に頻繁に登場する。

性能検査の有効期間1年の例外

性能検査の有効期間は原則1年だが、条件次第で延長される場合もある。試験ではまず「原則1年」を正しいとして選べるように覚えておき、「2年」「3年」「永久」はすべて誤りと判断できれば十分だ。

担当主体の混同(誰が何をするか)

「製造許可は厚生労働大臣」「設置届・変更届・廃止の返還は所轄労働基準監督署長」「性能検査は登録性能検査機関」という担当の振り分けを混同しないよう、検査フローの表を繰り返し見直すとよい。

作業主任者の届出不要という落とし穴

衛生管理者の選任は所轄労働基準監督署長への届出が必要だが、ボイラー取扱作業主任者の選任は届出不要だ。「選任後14日以内に届け出る」「30日以内に届け出る」という選択肢はすべて誤りだと即断できると得点しやすい。


効率的な学習順序の提案

関係法令科目に取り組む順序として、次の流れを推奨する。

推奨する学習ステップ

STEP 1: 定義を固める(第1条)

まず「何がボイラーか」の定義区分を押さえる。伝熱面積の数値(0.5m²超、1m²以下)と圧力条件(0.1MPa)を先に整理しておくと、後の検査や設備基準が「どのボイラーの話か」がスムーズに理解できる。

STEP 2: 検査の種類と順序(第3・6・7・10・14・22・25・38条)

製造から廃止までのフローを一枚の表で整理する。担当主体(誰が行うか)と手続きのタイミング(前か後か)を中心に確認する。設置届の「30日前まで」という数値もここで覚える。

STEP 3: ボイラー室の設置基準(第27条)

天井距離0.6m・壁距離1.2m・出入口2か所以上・外開き、の4点セットを数値とセットで記憶する。

STEP 4: 人の要件(第24条・第25条、労安法第72条)

取扱作業主任者の選任区分(25m²未満・250m²未満)と職務内容(直接指揮・点検・周知・異常時措置)、免許の種類(特級・一級・二級)を覚える。この段階が試験の配点上の中心になる。

STEP 5: 安全装置の基準(第28・29・30・32・33・34条)

安全弁(最高使用圧力以下・1個以上・50m²超は2個以上)と水面測定装置(2個以上・1MPa超は平形反射式)の数値を条文番号と対応させて整理する。

この順序で学ぶと、前のステップの知識が次のステップの「文脈」になるため、単純な暗記より理解のつながりが生まれやすい。


関係法令でよく出る条文の数値まとめ

最後に、頻出の数値を一覧表で整理する。試験直前の最終確認にも活用できる。

数値意味
0.1MPaボイラー則の適用を受ける蒸気ボイラーの最高使用圧力の下限
0.5m²ボイラー則のボイラー(蒸気)伝熱面積の下限(超える場合に該当)
1m²小型ボイラー(蒸気)の伝熱面積の上限(以下)
30日前設置届の提出期限(工事開始の30日前まで)
25m²未満二級ボイラー技士が主任者になれる通常ボイラーの上限
250m²未満二級ボイラー技士が主任者になれる貫流ボイラーの上限
500m²以上特級ボイラー技士のみが主任者になれる規模
1年性能検査の有効期間(原則)
0.6m以上ボイラー最上部から天井までの距離
1.2m以上ボイラー取扱い側の壁までの距離、ボイラー相互間の距離
2か所以上ボイラー室の出入口の数
2個以上ガラス水面計の設置数(原則)、伝熱面積50m²超の安全弁設置数
1個以上安全弁の原則設置数
50m²超安全弁を2個以上設ける必要がある伝熱面積の閾値
1MPa超平形反射式または平形透視式の水面計が必要な圧力
20時間ボイラー実技講習の時間数

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出典

  • ボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年労働省令第33号、最終改正版)
  • 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号、最終改正版)
  • 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号、最終改正版)

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この記事について

執筆: ぴよパス編集部

ぴよパスでは、公的機関の公表データ・法令・試験実施団体の公式情報を根拠に記事を作成しています。問題は全てオリジナル作成です。

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、特定の結果を保証するものではありません。最新の試験情報は各試験の公式サイトでご確認ください。

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